デミアン (新潮文庫)/新潮社

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みなさんこんにちは、最近めっぽう暑いですね。

 私事で恐縮ですが先日英検を受けました。恥ずかしながら準2級。中高生が主な受験者の中でもういい大人の自分が受けるのは勇気が要りましたが、これが英語のある人生の第一歩になってくれることを願っております。いくつになっても!!勉強ってしていいもののはずなので!!

さて、本日の本はヘッセ『デミアン』です。

 主人公は10歳の少年エーミール・シンクレール。彼は敬虔なクリスチャンの「よい」おうちに生まれ、優しい両親と真面目な姉達に囲まれて幸せに暮らしていました。しかしそんな暮らしの中で、彼は世間が神様が支配しておられる「よい」ものばかりだけではなく、悪いもの・汚らしいものによっても構成されていることを日ごろから感じていました。
 ある日、シンクレールはクローマーという悪ガキに見栄を張って嘘をついてしまったことから脅迫され、彼の支配下に置かれてしまいます。「よい」世界からはっきりと隔絶されてしまったことを知ったシンクレールは悪い世界へとどんどん引きずられていってしまいます。

 そこに現れたのが上級生の転校生マックス・デミアンです。彼は男のような女のような、老けているような少年のような、まったくつかみどころの無い不思議な少年でした。彼はどんな方法を使ったのか、追い詰められているシンクレールの心を見抜き、クローマーを遠ざけてくれました。シンクレールに、彼は言います。「よい」ところだけしかない神様は不十分であり、「よい」ものと「わるい」ものとを併せ持った神様を信じなければならないと。その日から、シンクレールは大人になり始めます。

以下、物語の結末に触れています。

 いや~~~~~~いいですよね!!少年!!!
朴訥とした少年とすべてを分かったような美少年の組み合わせが美味しくないわけないですよね!!デミアンかっこいいよはぁはぁ。

 でもきっとこの物語の本質は前半のほのぼの少年物語ではなくて、後半の戦争と自分自身の発見の部分なのでしょう。様々な人物と出会って自分とは何かを探求するシンクレールは、最終的に自分=デミアン=デミアンママ=求めていたものであると知るわけですね。最終的なゴールは自分自身を知ることであるということなのでしょうか。

 この作品はヘッセの変換期的作品であり、物語の前半と後半で作風がガラッと変わる成長が見えるそうな。確かに前半の分かり易い、ちょっとノスタルジックな展開と、後半の印象は大きく違うように感じます。