調べる技術・書く技術 (講談社現代新書 1940)/講談社

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 1日1300kalで過ごそうと思い立った管理人です。

 もうね、体重の増加に歯止めがかからない。私の体重は膨れ上がった日本の国債かなにかなのか??どうにかしてくれ!!ウォーキングも今まで以上に真面目にしようと思います。

 さて、本日の本は野村進さん『調べる技術・書く技術』です。

 私は本を読むといったらフィクションが大半ですが、いざ書く側となるとノンフィクションの方が圧倒的に多いです。作家でもない限り大体の人がそうではないでしょうか。報告書、下調べが必要な企画書などなど調べる技術と書く技術が求められる機会は誰にでも起こり得ます。

 本書はノンフィクション作家である野村進さんが実際に
①テーマを決め
②資料を集め
③人に会い
④話を聞き
⑤原稿を書く(人物・事件・体験)
という一連の仕事の方法を細かく丁寧に、実践的に教えてくれる貴重な本です。

 読んでいて感じたのは、この本の表題こそ『調べる技術・書く技術』ですが、何か一つのことを探求して、文章としてまとめるということは、ただ調べる・ただ書くだけではないのですね。調べていく中で自分の書きたいものを研ぎ澄ませて行く、様々な人に会って言葉だけではなくその人の人となりを自分の目でしっかり観察する、人脈を広げて調査を深化させていく、といったように非常にダイナミックな活動なのだなと思いました。そしてその活動を通して、自分が豊かになっていくのだなと感じました。

 「オレは文章なんて書くような仕事じゃねぇよ!」というそこのアナタ!!私だって単純作業しかしない仕事ですが、人との付き合い方や仕事への信念など学べることがたくさんありました!読むときっとノンフィクションに興味を持つはず!良書です。

以下自分用メモ

第一章 テーマを決める

①時代を貫く普遍性
②未来への方向性
③人間の欲望が色濃く現れているか
④ほかのメディアではできないことか?
⑤そのテーマに第三者が身を乗り出すか?

 やはり完全に独創的なテーマというものはプロの方でも難しいようだ。自分なりの独創性(チャップリンのステッキ)を既存のものに付加していくことが大切。

第二章 資料を集める

 ここは単行本の読み方が参考になりました。いきなり書こうとしている分野の専門書なんて読んでも分からないのは当たり前だよね。まずはインタビューや対談形式・入門書と呼ばれる簡単なものから読んでもいいのです!そして幅を広げて賛否両方の本を読んでいく。読み捨てるべき本は全部読まなくておk。

 ノンフィクション作家さんは映像記録や録音記録までぬかりないんですね。すごい。

第三章 人に会う

 アポの取り方から非常に丁寧に解説してくださっている。参考になったのは電話をかける時間帯。早朝、夜遅く、食事時はもちろんNG。朝10時以降、夜は22時まで。食事前は先方がイライラしているかもしれないから避けるなんてのは妙に納得。対応に求められるのは結局「誠実さ」。
 お礼状はすばやく、直筆で。プロの作家さんはこれを何十人とやるのだからものすごい。

第四章 話を聞く

 話を聞く、というから「どんな特別な尋問テクニックがあるのかしら?」と思っていたけれど至って謙虚な方法。相手の興味のあるところを下調べする、話すのの2倍聞く、相手と同化する(鸚鵡返しや同じ飲み物を頼むなど)といった小さなことで、しかし着実に相手の気持ちをつかむ工夫をしている。
 そして実際に会っていることの利点を生かして、言葉以外のこともしっかりと観察していらっしゃいます。
①顔つき、体つき
②服装、ファッション
③表情
④しぐさ
⑤視覚以外の感覚で感じたこと
 こんなところからもその人の人となりがわかるのですね。逆に言うと自分が誰かと会うときにこの5点を気をつけておけば、自分の印象をコントロールできるということなのかな。うーん、勉強になります。

 第五章からは例を交えた文章の書き方が紹介されています。読者をひきつけるすばらしい文章がたくさんあります。是非皆さん実際に読んでみてくださいね。