のはなしし/宝島社

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 伊集院光さんといえば、クイズ番組の常連。誰も知らないようなマニアックな知識を披露したり、ものすごいひらめきで答えを導き出したり、可愛いイラストを書いてみたり、多才で博識なインテリ芸能人というイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。

 しかし、彼の真価はそんないい子ちゃんぶったクイズ王ではなく、下ネタ童貞大歓迎の『深夜の馬鹿力』ラジオパーソナリティにおいて発揮されるのであります。もちろんこの本も例外ではなく、う○この話、ラブホテルの話(もちろんそれだけじゃないんだよ!)で私達を楽しませてくれます。本作は『のはなし』シリーズの第4弾。

 「あ」から「ん」の言葉で始まる各エッセイは一つ一つが2~3ページと短いのですが、これが面白いのなんのって!!電車で読んじゃいけませんよ!!私は笑いの沸点が低いほうだと思いますが、声を上げて笑ってしまいました……。

 私は野球の知識が皆無なので野球のお話だけはちょっと良く分からなかったのですが、そのほかはどれもこれも面白いです。好きなのは「脳波」の話。カレーライスとウルトラマンを思い浮かべることで右に曲がったり左に曲がったりするロボットのお話。そんな落ちがあったとはwww人間の脳って面白いなぁww
 あとは「種田山頭火」の話。17文字にも満たない句?であんなに情景が広がるのはものすごいな!と関心。それと「好きなアニメ」の話。これあるある!!自分がなんとなく好きだな~と思っていたものを突き詰めていくと同じ監督さんだったり同じ原作者さんだったりするする!!伊集院さんのはそれのマックスレベルのすごさ!あと奥さんが超絶対人スキルを所有していて伊集院さんだけが犬と遊んでいるお話もなんだかよくわかる。

 クスッと笑って、ちょっとぞっとして、ああ!と膝を打って、とても幸せな読書体験でございました。読み終えちゃうのがもったいない!せかすと原稿をかけなくなるとおっしゃっていましたが、是非また書いていただきたいものです。