AさせたいならBと言え (教育新書)/明治図書出版

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みなさんこんばんは。

 レンコンが美味しい季節になりましたね。
でも意識的に食べないと、レンコンってそうそう食べる機会がないのではないでしょうか。
先日、レンコンを揚げ焼きにしたものにカレー粉と塩を振りかけて食べたら、サクサクした食感とモチモチした食感が合わさってなんともいえない美味しさになりました。もう主食レンコンでいいやっていうくらい最近レンコンを食べています。
 こんなに美味しく根菜を食べられるなんて、何かいい栄養素をとっているに違いない!とレンコンの栄養素を調べたら主成分に「デンプン」って書いてました……あれ……米食べてるのと変わらないな。

別に意識的に食べなくていいやと思いました。レンコン。

 さて、本日の本は岩下修さん『AさせたいならBと言え』です。
私もいまだに結婚を夢見る喪女ですからね。子供ができたら~とかむなしい妄想をしてしまうわけですよ。もちろん子供が居ない人にだって、誰かに何かを指示する機会があるはず。そのとき、させたいことをそのまま言ってしまってはダメなんです。なぜなら人間は、知的な思考に悦びを見出す動物だから。言われたことをそのままやるというつまらない行為はしたくないんです。

 本書は、先生の視点から、生徒たちにさせたい行動をうまく引き出すためにどのように指示・発問すればよいのかのヒントが書かれています。

 例えば、お米の焦げ付いたおなべを子供に洗わせたい場合。
大人ならば、米つぶが取れるように力を入れて洗おうと思うのは当たり前ですが、子供はおなべを洗ったことがないから分かりません。

 このとき「しっかり洗いなさい」とか「ちゃんと洗いなさい」って言ってもダメなんですね。子供は大人の「しっかり」「ちゃんと」のレベルがわからないから。 

 だからこんなときは「お鍋を、ゴシゴシ洗う音が、ここまで聞こえてくるように洗ってごらん」というのですね。○○な音という具体例を出して、子供に仕事内容をイメージしやすくしているわけですね。

 こんなテクニックがいくつも紹介されているのですが、そのポイントは「子供に指示・発問内容を具体的にイメージさせる」ということです。この「具体的」という言葉にも筆者さんは気を使っておられます。「具体的に」っていう言葉って全然具体的じゃないですよね。では「具体的にイメージさせる」というのは具体的にどういうことなんでしょうか。

 それは、指示の中に
・物
・人
・場所
・数
・音
・色
といった、人によって差異のない、揺れのないものを組み込むということなんです。

 なるほどなぁと思いました。

 そういえば、昔ラーメンズの小林賢太郎さんがインタビューで「人を笑わせるためには共通の知識が必要だ。だから自分は日本人なら誰でも知っている日本語を土台にして笑いを作っている」という旨のお話をされていたのを思い出しました。なるほど、人に指示を与えるのにも共通の土台がないとうまく伝わらないのだなぁと合点がいきました。

 子供と触れ合う機会のある方におすすめの本でした。