これから愉しむアンティーク ヴィクトリア朝―なぜ生まれ、どう使われてきたのか/メディアパル

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みなさんこんにちは。

 先日の台風で金木犀がすべて散ってしまいました。
このブログを読んでくださっている奇特な方々は被害にあわれませんでしたでしょうか。台風で休ませてもらえない会社も多いそうですね。災害に慣れっこになってしまっている部分があるんでしょうか……。

 さて、本日の本は『これから愉しむアンティーク ヴィクトリア朝』です。

 管理人はいわゆるスチームパンクと呼ばれる文化?が大好きでして、昔感想を書いたジュール・ヴェルヌなんかはまさしくスチームパンキッシュな作家さんなんですよ。
 スチームパンクっていったいどんな文化なんだよといわれれば端的に申し上げるのは難しいのですが、シャーロック・ホームズやフランケンシュタイン、ジキルとハイドがいた時代、蒸気機関、メイドさん、大正浪漫……こんなワードがよく出てくるでしょうか。日本でいうと『天空の城ラピュタ』の文化だと思っていただけると分かり易いかもしれないですね。

 その文化の元になっているのがヴィクトリア朝時代。管理人はこの時代にもうめちゃめちゃあこがれておりまして(もちろんひどい貧富の差やスラムの人々の苦しい暮らし、環境汚染のことも忘れてはいけませんが……)ちょっとずつ勉強中であります。

 この本はアンティークの観点からヴィクトリア朝の暮らしを読み解いています。ヴィクトリア朝時代の室内装飾は言ってみれば何でもあり。ちょうど産業革命で安く大量に物が手に入る&大航海時代でいろんな文化のものが流入してくることもあって、いい意味でごちゃごちゃした時代だったようです。また、産業で一発当てた成金が貴族の暮らしをしようと、涙ぐましい努力をしていた時代でもあったようです。

 個人的に気になったのは当時の夫人の暮らし。管理人もいつかね……結婚してね……憧れのマダムになりたいとかいう希望をもっているんですけどね……。当時のミドルクラスのご夫人のイメージとしては「メイドが何でもやってくれて、綺麗なお洋服を着てアフタヌーンティー飲んで、パーティしてたまには裁縫とかやって贅沢な暮らししてたんだろ!!」という感じだったのですが、いやいやいや当時だって女性は忙しかったようです。
 メイドに逐一仕事を命令し、家庭を清潔に保ち、有力な家の夫人を招いては娘の結婚相手を探し、家に訪問してくる他のマダムにお茶を提供し……とやることがいっぱいあったようです。そのための教本のようなものが当時大人気だったとか。(『ビートン夫人の家政読本』)

 他にも殿方のスチームパンカー向けに男のダンディズムであったり、当時の旅行事情であったり、アーツ&クラフツ運動によるジャポニズムの隆盛であったり、気になる記事が目白押しでございます。

特にジャポニズムに関しましては今ちょうど京都市美術館で展示をやっているようです。(クロード・モネの『ラ・ジャポネーズ』が来ているようですよ!)本書を読んでから行かれるとさらに楽しめると思いますよ!


個人的に今後読んでみたい本。見たい映画ピックアップ。
『不思議の国のアリス』
『バベットの晩餐会』
『ミス・ポター』
『ビートン夫人の家政読本』
『メアリー・ポピンズ』
『幸福な王子』(オスカー・ワイルド全般)
『若草物語』
『ドラキュラ』
『陰影礼賛』