ふたり (新潮文庫)/新潮社
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みなさんこんにちは。
喪女仲間だと思っていた友人が就職し、恋人が出来ていたことが発覚して落ち込むと同時に、自分も頑張ればもしかして……と期待に胸を躍らせている管理人です。素敵な出会いのためにはまず自分が素敵にならなければならないのですが、どうやったら性格ってよくなるんでしょうか。よかったら教えてください。もう是非是非に。
本日の本は赤川次郎さん『ふたり』です。新潮文庫の100冊にもなってます。
千津子と実加はどこにでもいる普通の姉妹。姉は何でも出来る頼れる高校生、妹はまだ少し手のかかる中学生。何の変哲もない彼女たちの幸せな日常は、姉の交通事故死によって無残にも終わってしまいます。しかし、姉の死を悲しむ実加に聞こえてきたのは、紛れもない姉の声。ふたりの奇妙な共同生活がはじまりました。
以下ネタばれ
赤川次郎さんって会話が多くてとても読みやすいのだけれど、会話だけで人間関係を説明するのがとっても上手ですよね。すこし抜けた母、後半の生々しい男の部分を見せる父、しっかりもののクラスメイトのマコ、実は誠実な哲夫、言葉の端々にそれぞれの個性が出ている気がします。
姉の死のあと、実加には学生生活らしいさまざまな事件が起こります。実加は姉のアドバイスに耳を傾けて、それらの問題を乗り越えていくのですが、父親の浮気というのっぴきならない事件のときに自分の力でそれを乗り越える姿勢を見せます。そして、頼りになる姉だと思っていたのは、実は成長した自分自身だということに気づきます。
これってどういうことなんでしょう。自分の中の姉成分がやっと自分のものになったっていうことなんでしょうか。でも姉は確実に独立した存在なんですよね、実加には分からない石の場所を教えてあげたりして。だから、姉は確かに幽霊のような存在で実加のそばにいたのだけれど、妹の中に自分の姿を認めたから身をひいたってことでよいのでしょうか。
たぶんもうお父さんとお母さんは離婚することになるんじゃないかなぁと思うのでなんか悲惨なラストに感じてしまうのですが、実加には幸せになってほしい……。