冷たい密室と博士たち (講談社文庫)/講談社

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 皆さんこんばんは。
外に出ると金木犀の良い香りがする季節になりましたね。
管理人は去年、金木犀を使ったシロップを作ったのですが「トイレの芳香剤のにおいがする」と家族の誰も食べてくれませんでした。今年は無難にポプリでも作ろうと思います。お茶パックに金木犀ぶち込むだけ!!ね、簡単でしょ?


 本日の本は森博嗣さん『冷たい密室と博士たち』であります。
これね!!もうすぐドラマ化するのですよ!!武井咲さんと綾野剛さんで!!
10/21(火)21:00スタートだそうです。楽しみですねぇ。

 管理人が中学生のときにS&Mシリーズにドはまりいたしましてですね。
確か過去に読んだ気がするんですが……完全に忘れていました。初版がいつだったのか見てみると1996年だそうです。か、軽く18年前……!!!そりゃ忘れもしますわ。
 どうして今回ドラマ化することになったんでしょう。うれしいけどね!!!

 舞台は冷たい密室。N大学の極地環境研究センターという施設の低温実験室です。そこで、二人の大学院生が殺されていました。彼らは直前まで顔まですべて覆った防寒服で作業をしており、他の生徒や教授たちが打ち上げの飲み会をしている間に殺されたと考えられました。しかし、おかしなことに二人が死んでいた低温実験室は密室でした。二人が入ることすら不可能だったはずの密室でした。

 以下ネタばれ

 私のおぼろげな記憶では「S&Mシリーズはとにかく難しいしややこしいし、読者を煙に巻くような衒学的なお話がいっぱい出てくるぞ!!気をつけろ!!」という感想だったのですが、18年ぶりに読んでみて。あれ、意外と普通……??
 理路整然と可能性を列挙してそれをつぶしていくS&M&喜多さん。犀川先生なんて賢すぎて私の理解の範疇の外におられる神様のような方でアババババと思っていたのに、意外とアクティブでキザな犀川先生……こんなだったっけ。私がミステリーに擦れてしまったのかしら……。

 もちろんね!トリックは綺麗なんですよ!!複雑に見える事象も分解していけば単純になって、他の事実とも整合性があるものになる。顔の見えない防寒服、隠れて付き合っていた院生、体型の似ている二人……言われてみれば確かにそうだなぁという解答。そうか、こんなだったっけな。純粋に答えを導き出す、森さんのミステリーってこんなだっけな。

 過去の記憶を少し美化しすぎていたのかな。面白いの!とても面白いんだけど当時読んだような脱力するような衝撃はなかった……。