幽霊塔/東京創元社

¥価格不明
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みなさんこんばんは。
私の住む地域は絶妙な感じで台風の進路に入らなかったみたいです。あれ、晴れちゃってんな……。わざわざ日傘から雨傘にしたのにな……。しかし何事もなく過ぎ去ってくれたようで良かったです。関東の方は引き続き注意してくださいね!
さて、本日の本は江戸川乱歩『幽霊塔』です。
この本はウィリアムソンの『灰色の女』をはじめとした外国作品を黒岩涙香が翻案し、それをさらに乱歩がリライトしたという作品です。さらに乱歩はこの幽霊塔を子供向けにリライトした『時計塔の秘密』という作品も書いています。私は多分このポプラ社さんのシリーズを昔読んだんじゃないかなぁ。
北川光雄という青年は、叔父が買い取った時計塔に二人で移り住むことになりました。その時計塔には徳川時代の埋蔵金が隠されているという心躍るような噂がある一方で、そのときの奉公人である永田鉄というばあさんが、その養女に殺されたという恐ろしい過去のある建物でした。
以下ネタバレ
北川は、初めて訪れた屋敷で絶世の美女、野末秋子に出会います。どこか人工物の仮面を思わせるような冷たさを含む彼女の美貌に一瞬にして心奪われた北川は、彼女とお近づきになろうとします。
しかしそこで起こった第一の殺人。北川の許嫁で栄子が何者かによって首を切られ殺されてしまいます。これは北川との仲を邪魔された秋子の仕業ではないかという風潮が起こり、北川はその疑いを晴らそうと画策します。そんなおりに、北川の叔父である児玉丈太郎が何者かによって毒殺されかけます。犯人は秋子なのか、彼女の過去の秘密とは、そして左手首に隠された謎とは。
人工物っぽい顔から何となく予想がつくように、秋子は整形手術で顔を変えた永田鉄殺害の下手人和田ぎん子でした。今でこそ整形手術で顔を変えるということは日常的に行われていますが、当時はまだとても珍しい技術だったようですね。美しい顔から美しい顔に変えるって結構大変そう。
ぎん子が殺人犯だったと知ったときの北川の迷いと怒りが読ませます。一度は結婚を決めた愛する女が殺人犯であり、顔を変え脱獄、さらに自分の幼なじみや叔父まで手にかけたかもしれないとあっちゃそりゃそうでしょう。でも好きなんですよね。顔をみたらもう許しちゃう感じになっちゃうんです。いいな!美人って得だな!
しかしそこで弁護士の黒川から聞かされた事実は北川を本物の地獄に突き落とします。それは、秋子は実は殺人犯じゃなかったという事実。おーーーまーーーーえーーーーー!!!早く言えよ!!!
なんやかんやがあって秋子と心通じ合う北川。時計塔のからくりの描写はもう待ってました!!という感じ。じっとりとしたまとわりつく地下の空気、埃のにおい、暗闇、機械仕掛けの地下室、白骨となったかつての富豪……。もう冒険心をこれでもかこれでもかとくすぐってくれます。ラストで長田さんが犯人という描写が結構適当じゃない?と思ったけどよし!もうなんでもよし!!あと黒川、お前いいやつな。
大団円は思わず「良かったなぁ……良かったなぁ(´つω・`)」となる。栄子wwwキャリアウーマンになっとるwwww整形手術を施した救い主、芦屋は失踪し、その人間改造術もこの世に後を絶つと書かれてありますが、そうではなかったですね。
いや~古めかしいおどろおどろした雰囲気が◎でございました。
涙香版と読み比べてみると楽しいかもしれませんね。
涙香版はなんと『幽麗塔』という名前でマンガにもなっているようですよ。

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私の住む地域は絶妙な感じで台風の進路に入らなかったみたいです。あれ、晴れちゃってんな……。わざわざ日傘から雨傘にしたのにな……。しかし何事もなく過ぎ去ってくれたようで良かったです。関東の方は引き続き注意してくださいね!
さて、本日の本は江戸川乱歩『幽霊塔』です。
この本はウィリアムソンの『灰色の女』をはじめとした外国作品を黒岩涙香が翻案し、それをさらに乱歩がリライトしたという作品です。さらに乱歩はこの幽霊塔を子供向けにリライトした『時計塔の秘密』という作品も書いています。私は多分このポプラ社さんのシリーズを昔読んだんじゃないかなぁ。
北川光雄という青年は、叔父が買い取った時計塔に二人で移り住むことになりました。その時計塔には徳川時代の埋蔵金が隠されているという心躍るような噂がある一方で、そのときの奉公人である永田鉄というばあさんが、その養女に殺されたという恐ろしい過去のある建物でした。
以下ネタバレ
北川は、初めて訪れた屋敷で絶世の美女、野末秋子に出会います。どこか人工物の仮面を思わせるような冷たさを含む彼女の美貌に一瞬にして心奪われた北川は、彼女とお近づきになろうとします。
しかしそこで起こった第一の殺人。北川の許嫁で栄子が何者かによって首を切られ殺されてしまいます。これは北川との仲を邪魔された秋子の仕業ではないかという風潮が起こり、北川はその疑いを晴らそうと画策します。そんなおりに、北川の叔父である児玉丈太郎が何者かによって毒殺されかけます。犯人は秋子なのか、彼女の過去の秘密とは、そして左手首に隠された謎とは。
人工物っぽい顔から何となく予想がつくように、秋子は整形手術で顔を変えた永田鉄殺害の下手人和田ぎん子でした。今でこそ整形手術で顔を変えるということは日常的に行われていますが、当時はまだとても珍しい技術だったようですね。美しい顔から美しい顔に変えるって結構大変そう。
ぎん子が殺人犯だったと知ったときの北川の迷いと怒りが読ませます。一度は結婚を決めた愛する女が殺人犯であり、顔を変え脱獄、さらに自分の幼なじみや叔父まで手にかけたかもしれないとあっちゃそりゃそうでしょう。でも好きなんですよね。顔をみたらもう許しちゃう感じになっちゃうんです。いいな!美人って得だな!
しかしそこで弁護士の黒川から聞かされた事実は北川を本物の地獄に突き落とします。それは、秋子は実は殺人犯じゃなかったという事実。おーーーまーーーーえーーーーー!!!早く言えよ!!!
なんやかんやがあって秋子と心通じ合う北川。時計塔のからくりの描写はもう待ってました!!という感じ。じっとりとしたまとわりつく地下の空気、埃のにおい、暗闇、機械仕掛けの地下室、白骨となったかつての富豪……。もう冒険心をこれでもかこれでもかとくすぐってくれます。ラストで長田さんが犯人という描写が結構適当じゃない?と思ったけどよし!もうなんでもよし!!あと黒川、お前いいやつな。
大団円は思わず「良かったなぁ……良かったなぁ(´つω・`)」となる。栄子wwwキャリアウーマンになっとるwwww整形手術を施した救い主、芦屋は失踪し、その人間改造術もこの世に後を絶つと書かれてありますが、そうではなかったですね。
いや~古めかしいおどろおどろした雰囲気が◎でございました。
涙香版と読み比べてみると楽しいかもしれませんね。
涙香版はなんと『幽麗塔』という名前でマンガにもなっているようですよ。