麦の海に沈む果実 (講談社文庫)/講談社

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みなさんこんにちはヾ(*´∀`*)ノ
6月、いかがお過ごしでしょうか。
管理人は今年家庭菜園などを始めてみまして、
簡単そうなプチトマトを育てているのですが
毎日の水やりに対する報酬が未だにプチトマト一個であります。
なかなか実が赤くならないんですよね。

さて、本日の本は恩田陸さん『麦の海に沈む果実』です。

主人公の理瀬は北海道の僻地にある全寮制の私立学校に
中途半端な時期に入学する事になった学生。
この学校は3月に入学する決まりなのだけれど、
何故か理瀬は2月に入学する事になりました。
そしてこの学校には2月に入学した生徒は
災いをもたらすという噂があったのです。

以下ネタバレ

両性具有で洗練された完璧な校長先生と
才能に満ちながらも影のある生徒達、
箱庭のような閉鎖された学園……。
居心地のいい居心地の悪さがある小説です。

謎に満ちた校長先生に招かれたお茶会で知った
麗子と功という生徒の失踪と死の疑惑。
そして実際に殺されてしまった修司という生徒。

校長という絶対権力の元で疑惑は蓄積したまま、
次々と生徒が死んでいきます。
その影に見え隠れする麗子の正体とは。

ラストの理瀬フィーバーは驚きましたね。
でもこの物語は誰の物語でもない、
理瀬が古いトランクを取り戻す話ですからね。
時期校長の座を担う事になる理瀬が
お忍び入学していただけでございました。
その事実を知った理瀬が、
他の「墓場」の生徒達を哀れみの目で見ているのが
彼女の性格を良く表していて恐ろしかったですね。

実はこの話は『三月は深き紅の淵を』の続編なんですね。
知らずに読んでしまいました。
解説にその事が書いてあるのですが、
思いっきりその作品のネタバレしているので
読んでしまって後悔しました。

これからお読みになる方はその作品を読んでから
お読みになった方がいいかと思います。