夢探偵 (「光る話」の花束)/光文社

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皆さんこんばんは~ヾ(*´∀`*)ノ

GWまっただ中いかがお過ごしですか。
私は最近読書以外にも趣味が増えまして、
工作に手芸にゲームにやりたい事が順番待ちしてます。

さて、本日の本は筒井康隆さんが編まれた『夢探偵』
という一風変わったアンソロジーです。

この本、「夢」に関する作品の寄せ集めなんですが、
創作であったり、夢への考察であったり、
そのままある人の夢日記であったり幅広いです。

夢は抑圧された欲求や過去への憧憬といった
自分の如意ならざる存在です。それが面白い。

以下気になったやつだけ感想

④星新一「願望」
落語にこういうお話があるんですかね。
「願い事を叶えてやろう」「待って」
「はい、待ってあげたから終りね」っていうやりとり。
これを夢のなかのお話にしたのは、
夢はなぜか自分の思い通りに行かないからなんですかね。

⑥澁澤龍彦「夢」
夢の記録が海で採集した海藻の標本だという表現が
面白いと思いました。どうしてもこちらの世界に持ってくると
ひからびちゃうっていう。

⑧筒井康隆「法子と雲界」
びっくり!シリーズ物の夢だそうです。
落ちもちゃんとある普通の短編に見えます。
作家さんっていうのは寝ていてもお話を考えちゃうのかな。
自分の夢に出てくる見知らぬ女が、
実はどこかに存在しているっていうのはロマンがありますね。

⑫八木義徳「夢三態」
どうでもいいけど筒井さんの作品に「妻四態」って話ありましたね。
自分の夢に対する詳細な調査と考察で、
夢の謎解きをしてしまうという興味深い試み。
役目を終えた夢は、二度と見られないというのはすこし寂しいですね。

⑬半村良「夢の底からきた男」
これは筒井さんお勧めなだけあって面白い!
海外のサスペンス映画とかにありそう。
ある男の夢に現れる血まみれの手を持つ人物。
それがだんだん現実の世界に浸食して来て……。
男が見ていたのは心の奥底に隠した現実の夢でした。

付録・筒井康隆「夢の検閲官」
夢に関する用語をわかりやすく作品のなかで解説してくれてます。
我が子を失った母親の夢に出てくる学校や、教師や、同級生が
滑稽に歪められていきます。
時々見る突飛な夢にも、実はこんな深刻な問題を
含んでいるのかもしれません。

 他の作品もとても面白いです。正木ひろしさんの詳細な夢日記は
敬服に値します。四半世紀も夢日記を書き続けているって
ちょっとやそっとじゃ真似できないです。