フェルマーの最終定理 (新潮文庫)/新潮社

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皆さんこんばんは~(*´∀`*)
 
今日は入学式だった~という方も多いのではないでしょうか。
新しく始まる生活に期待と不安と、抱く時期ですよね。
辛いことも必ずありますが、
いいことも必ずあるので何も不安になることありませんよ!
(今をときめく学生さんがこんなブログ読んでると思わないけど!)
 
本日の本はサイモン・シン『フェルマーの最終定理』です。
ま、待って~逃げないで~三三ヽ(;▽;)ノ
管理人は読書難民を脱したわけじゃないんです。賢くなったわけでもないんです!知人におすすめされたからしぶしぶ読み始めたんです。しかし、読み終えた今、「あぁ、おすすめされなければこんなに素晴らしい本を読まずに死ぬところだった」と思うほどに感動し、知人に感謝しています。
 
数学ができなくてもいい!理系という文字を見るのすら嫌な人でも大丈夫!私がこんなに面白いと思ったのですから!これはほんとまだの人は早く!早く読んで!
 
「フェルマーの最終定理(証明されるまでは正しくは予想)」と呼ばれる有名な式があるんです。その名の通り17世紀にフェルマーという人が提示した公式なんですけども、彼は「この定理の証明知ってるけど余白がなくて書けね~わ~」とミサワのようなことを書いて死んでしまいます。
 
一見すると中学生でもわかるものなので、数多の数学者たちがその問題に取り組みますが、解けないんですね!これが!300年かかってもまだ解けない。
 
本書は、数学とはどういうものか?この問題が提示されたフェルマーという人物はどういう人なのか?この問題に取り組んできた人はどんな人でどういう考えをもちどんな生涯を送ってきたのか、そして、これを解き明かした天才数学者ワイルズはどんな人なのかを大変にわかりやすく、大変にドラマチックに書き上げています。
 
数学のもつ呆れるほどの厳密さ、美しさ。数学に取り組むことの難しさ(頭脳的なことも、社会情勢的なものも)。数学という天使と悪魔の顔を持つ存在の魅力がどの章にも現れています。
 
馬鹿な糞ニートの管理人が何をほざいとるんじゃ、わかってないくせに!と思うのも最もなんですが、すごいのはこんなくそ低学歴の私にも数学のすばらしさの片鱗を伝えたサイモン・シンの手腕だと思います。志村=谷山予想だとかモジュラー形式とかまっっっったく分からないんですが、ワイルズの仕事がどれだけ数学界にとって衝撃的だったのかが伝わってきます。
 
感想というより感動を書いてしまいました。7年の努力と2年弱の地獄の月日、そしてそれを克服した時のエピソードはもう涙なしでは読めません。まるで歴史に名を残した数学者たちが、ワイルドを選びだし、不屈の精神を持つ彼に謎を解かせたのようではないかと思いました。
 
他にも数学に疎い私は数学的な雑学が面白かったですね。特別な約数「友愛数」は小川洋子さんの『博士の愛した数式』で出てきましたし、「四色問題」は東野さんの『容疑者Xの献身』で効果的に使われていましたね。こういうの本好きの方には面白いんじゃないでしょうか。
 
本書は最後に、コンピューターがもたらす数学界への影響を提示して終わります。確かにコンピューターがあればゴリ押しで答えって出せるもんねぇ……。それはそれでとても意義があることだけれども数学者の求めている「美しさ」とはまた別のものなのかもしれません。
 
一般人の知りえない数学の世界の美味しいところだけをぎゅっと詰め込んだおもちゃ箱のような本でした。面白かった!!