トレジャー・ハンター八頭大 ファイルⅠ: 1/朝日新聞出版

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皆さんこんばんは~ヾ(*´∀`*)ノ

ずいぶんご無沙汰しておりました。前回の記事を読んだらひな祭りの時期でしたね。もう今や卒業式も終わって春から始まる新生活に胸躍らせる季節であります。梅の花もそろそろ終わり、いよいよ桜が咲き始めてますね。

そんな私は次の仕事に向けて勉強に励む日々であります。更新が滞っていたのも「感想を持つ」系の本ではなくて「知識を習得する」系の本が多かったからなんです。その知識をブログで公開する訳にはまいりませんしね。なので久しぶりに小説を読んでリフレッシュできました。

さて、本日の本は菊池秀行さん『トレジャー・ハンター八頭大 ファイルⅠ』であります。

本作には「エイリアン 秘宝街」「エイリアン 黙示録」「エイリアン旋風譚 鏡影の村」がおさめられています。むかーし、小学生のときにちょこっとだけ読んだ記憶があるんですが、今読むとまた違った印象を受けますね。当時は銃の名前だとかセミオートだとかNATO弾だとか言われてチンプンカンプンでしたが、今読むとすごく詳しいんだな~と作者さんの知識量に舌を巻きます。実際ガンオタでいらっしゃるそうですね。

また、SFチックなギミックもすごくいいですね。当時最先端だったNASAのあれやこれやを想像の限りを尽くして作品に織り込んだんだな~と思います。30年後の今では古びてしまった知識なんかも逆に新鮮に読めました。

以下ひとこと感想

①エイリアン秘宝街

八頭大さんとセクシーパートナー太宰ゆきの出会いの物語。昔を偲ぶ埋蔵金とSFの極みであるエイリアンの融合がロマンたっぷり。ニヒルで強欲で無敵な大の行動がいちいちすごい。正義感に燃えすぎないところがいいですね。お金の力で何でも解決っていうのはまどるっこしい説明をしなくてすむのでいいですねwすっとするしw筒井さんの『富豪刑事』を読んだときのような安心感。

ターゲットは江戸の地下に埋められた金銀財宝と異次元からきたエイリアンたちが持っている空気から金を作り出す機械。そのキーアイテムである「二次元水晶」の描写が綺麗ですね。横から見ると見えなくなっちゃう完全に二次元な水晶。鉱物好きとしてはぜひ一度拝んでみたい。

②エイリアン黙示録

キリスト教系の学校で学んだ管理人には非常に興味深く読めたお話。今回は財宝を手に入れるだけではなくて「なぜユダはイエスを裏切ったのか」という歴史ミステリーも同時に楽しめます。黙示録の内容がローマ帝国の滅亡を表しているという解釈が存在するのは全然知らなかったです。これからくる終末の話だと思っていました。

「予言」がこれからくる未来を漠然と言い当てること。「預言」がこれからくる未来を言い当てて意識的に人々を導くもの。という違いは知らなかった。

本書では、実はユダはものすごい能力を秘めた「預言者」であったという答えを提示しています。彼はその預言の力で世界をよりよいものにしようと思っていたが、サタンに見入られたイエスがそれを邪魔しようとしたのでユダはイエスを裏切った……そんなお話でした。うーん、これを事実だとはよもや思わないけれどもとても面白い!古き良き昭和のオカルトを感じられます。好きだったんですよね、こういうオカルト歴史ミステリーみたいなの。『シルバー・ウルフ』とかね……。

太宰ゆきちゃん結婚しなくてよかった!

③鏡影の村

書き下ろし短編。鏡に気に入られた人が次々と姿を消す……。
「鏡に映っても映らない」人物だけがこの神隠しを解決できるという。これはあれかな、じいちゃんからもらった銅鏡には映ってるけど、神社の鏡には映ってない状態を作ったから助かったってことかな。うーん!読解力!

菊池さんは『吸血鬼ハンター”D"』の作者さんなんですね!どこかで名前を見たと思った。これもちょっとだけ読んだ気がするなぁ。また読みたくなった。