裏庭 (新潮文庫)/新潮社

¥662
Amazon.co.jp
みなさんこんばんは~(*´∀`*)
日に日に暖かくなっていくのを感じますね。
管理人もダウンのコートを脱ぎ捨て、
薄手のコートを着るようになりました。
春は始まりの季節!
新しい習い事や習慣を始めるのもいいですよ。
さて、本日の本は梨木香歩さん『裏庭』です。
梨木香歩さんは有名な『西の魔女が死んだ』で号泣
『家守綺譚』でほろり、と泣かされっぱなしです。
でも、大好きな作家さん!というわけでもないんです。
思い出した頃に、ふと読みたくなる。そんな人です。
主人公はとある少女。照美。
両親は共働きで、双子の弟を亡くした寂しい女の子。
その女の子がバーンズ家の裏庭から通じる不思議な世界に
ひょんなことから足を踏み入れてしまう物語です。
管理人、実はファンタジーって苦手なんですよ。
ファンタジーって、作家さんによって世界がまるで違うから。
魔法が使えるのが当たり前だったり、
逆に魔法を使うのに妙な規則があったり、
龍と戦っていたり、龍が仲間だったり。
それをいちいち受け入れて、物語に入り込むっていうのが
私にはちょっと辛い。
でも、こういう世界に身を置くからこそ、
今の自分を見つめ直したりできるのかなぁ。
以下ネタバレ感想
照美は迷い込んだ世界で様々な人に会い、
自分が帰る手段を見つけていきます。
全編を通して「傷」と「癒し」というものが書かれてますね。
私は特に自分が傷を負いながらも
他人を癒そうとする街にハッとしましたね。
誰でも、人を癒すことは良い事で、すべきことだと思っている。
自分のことはかなぐり捨てて、
人を癒すことは素晴らしいことだと思っている。
でも、それで逆に人を傷つけることは少なくないんですね。
人の傷を癒すプロ、心理カウンセラーが真っ先にやる訓練は
人から聞いた悩みを自分からすっぱりと切り離し、忘れる訓練だそうです。
自分が引きずられて共倒れしてしまっては意味がないから。
これは照美が「結局人は、一人なのだ」という結論を思わせますね。
私は照美のこの気づきを読んだときに
「なんだか淋しいことを言うファンタジーだなぁ」
と思ったのですが、自分の傷すらちゃんと直せない
自分の傷がどこにあるのかすらわからない人には
人の傷なんて治せないってことなのかなぁと、読後に思いました。
「傷ついている」と自覚するのはすごく辛いことです。
その場面を嫌でも思い出してしまうから。
でも蓋をしても、何にもなりませんよ。と言われている気がしました。
きっと、人によって感じる部分は違うのだと思います。
ある人は家族関係のことを、ある人は生き方のことを
この本から拾っていくのだと思います。
自分に子供ができたら、誰かを亡くしてしまったら
また読みたい本です。

¥662
Amazon.co.jp
みなさんこんばんは~(*´∀`*)
日に日に暖かくなっていくのを感じますね。
管理人もダウンのコートを脱ぎ捨て、
薄手のコートを着るようになりました。
春は始まりの季節!
新しい習い事や習慣を始めるのもいいですよ。
さて、本日の本は梨木香歩さん『裏庭』です。
梨木香歩さんは有名な『西の魔女が死んだ』で号泣
『家守綺譚』でほろり、と泣かされっぱなしです。
でも、大好きな作家さん!というわけでもないんです。
思い出した頃に、ふと読みたくなる。そんな人です。
主人公はとある少女。照美。
両親は共働きで、双子の弟を亡くした寂しい女の子。
その女の子がバーンズ家の裏庭から通じる不思議な世界に
ひょんなことから足を踏み入れてしまう物語です。
管理人、実はファンタジーって苦手なんですよ。
ファンタジーって、作家さんによって世界がまるで違うから。
魔法が使えるのが当たり前だったり、
逆に魔法を使うのに妙な規則があったり、
龍と戦っていたり、龍が仲間だったり。
それをいちいち受け入れて、物語に入り込むっていうのが
私にはちょっと辛い。
でも、こういう世界に身を置くからこそ、
今の自分を見つめ直したりできるのかなぁ。
以下ネタバレ感想
照美は迷い込んだ世界で様々な人に会い、
自分が帰る手段を見つけていきます。
全編を通して「傷」と「癒し」というものが書かれてますね。
私は特に自分が傷を負いながらも
他人を癒そうとする街にハッとしましたね。
誰でも、人を癒すことは良い事で、すべきことだと思っている。
自分のことはかなぐり捨てて、
人を癒すことは素晴らしいことだと思っている。
でも、それで逆に人を傷つけることは少なくないんですね。
人の傷を癒すプロ、心理カウンセラーが真っ先にやる訓練は
人から聞いた悩みを自分からすっぱりと切り離し、忘れる訓練だそうです。
自分が引きずられて共倒れしてしまっては意味がないから。
これは照美が「結局人は、一人なのだ」という結論を思わせますね。
私は照美のこの気づきを読んだときに
「なんだか淋しいことを言うファンタジーだなぁ」
と思ったのですが、自分の傷すらちゃんと直せない
自分の傷がどこにあるのかすらわからない人には
人の傷なんて治せないってことなのかなぁと、読後に思いました。
「傷ついている」と自覚するのはすごく辛いことです。
その場面を嫌でも思い出してしまうから。
でも蓋をしても、何にもなりませんよ。と言われている気がしました。
きっと、人によって感じる部分は違うのだと思います。
ある人は家族関係のことを、ある人は生き方のことを
この本から拾っていくのだと思います。
自分に子供ができたら、誰かを亡くしてしまったら
また読みたい本です。