エンダーのゲーム〔新訳版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)/早川書房
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エンダーのゲーム〔新訳版〕(下) (ハヤカワ文庫SF)/早川書房
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皆さんこんばんはー(*´∀`*)
 
はー、皆さん。冬。如何お過ごしですか。
寒いし暗いし雪降るし、お外に出たくないですよね。
でも日光に当たらないとセロトニンが分泌されない
らしいので、外で元気に読書をしましょうね!
 
さて、今日の本は
オースン・スコット・カード『エンダーのゲーム』です!
もう映画を見に行かれた方もいらっしゃるんじゃないかな。
私は「映画になってるけど、SFだしな~どうしようかな~」と
迷っていた時にですねあの名作『星を継ぐもの』を紹介してくれた
友人が「絶対読め!」とおすすめしてくれたわけです。
 
丁度いま帯が新しいのがついてます。新訳になっているので
ものすごく読みやすかったです。これが海外SF!?くらいの。
いつもは図書館で本を借りるんですが、
思わず買っちゃいました!買って正解ですこれ。
 
以下ネタバレ感想
 
内容はタイトルの通り、エンダー(終わらせる者)の名前を
与えられたアンドルー・ウィッギンという少年がとあるゲームに
参加させられるお話です。
そのゲームというのは、過去に地球を二度も危機に陥れた
バガーと呼ばれる地球外生命体を攻撃する戦闘訓練。
エンダーは7歳にも満たない少年の頃に
愛する姉と大嫌いな兄と別れ、宇宙に連れてこられます。
 
そこはSFの面白味をこれでもかと詰め込んだ軍事基地。
バトルスーツに特殊な重力場、少年なら誰でもワクワクする
まさに王道のSF世界。
しかしそこで起こるのは我々と寸分変わらぬ子供と子供の、
大人と大人の、子供と大人のすれ違いや衝突です。
 
エンダーはその非凡な才ゆえに何度も陥れられ、
またその非凡な才ゆえに何度もそれをかいくぐります。
仲間を見つけ、別れ、戦い戦いの繰り返し
エンダーはそれを少年とは思えぬ冷静さでこなし続けます。
疲労困憊し、自分の存在を疑問に思う彼は
間もなく最終試験へと臨むのですが……。
 
この最終試験が本番というのはなんとなく想像できたんですが、
本書のキモはその後の三兄弟の生き方だと思うんですね。
自分の若い時代を犠牲にして手にした勝利ですが
エンダーは達成感を覚えることもなく、喜ぶこともなく
ただただ故郷の地を渇望するだけ。
戦争の勝利とはかくも虚しいものなのかしら。
 
そして、自らが倒したバガーの星に移住するエンダーですが
そこで彼らの統率者であり本体である女王の繭を見つけます。
そこで彼は、バガーたちの真意をやっと理解することができます。
 
本書のキモは『赦し』だそうです。
作者がモルモン教の宣教師だったのでその影響があるのだとか。
バガーは人間を赦し、人間の赦しを求めます。
エンダーはその気持ちを唯一理解し得た人間であり、
その意思を伝える決心をします。
 
嗚呼!SF特有のカタルシスがこれでもか!と襲いかかってきます。
壮大な、人類を巻き込んだ物語はこの『赦す』ということについて
読者に問いかけてきます。これは感想なんかじゃ伝えられない!
読むのです!そして管理人は来週のレディースデーに映画に行く!