君たちはどう生きるか (岩波文庫)/岩波書店
¥903
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皆さんこんばんはー(*´∀`*)
 
最近めっきり寒いですねぇ。
お風邪など召してらっしゃいませんでしょうか。
風邪を引いたら本を読むのも嫌になりますし、
ぐっと寝て、ぐっと治しちゃいましょうね。
 
さて、本日は吉野源三郎『君たちはどう生きるか』です。
ミステリーでもSFでもホラーでもない、どちらかというと
私が大嫌いな説教臭い本なんですが、
これは万人にお勧めできる本なんじゃないかということで
こちらでご紹介させていただきます。
 
この本は太平洋戦争が始まった頃に書かれたもので、
当時の軍国主義に染められてしまわないよう
真に子供たちに教えたいものはなんなのか?
というコンセプトで書かれた子供向けの本です。
 
主人公コペル君が、叔父さんや友人、家族と生きる中で
自分はいかにして生きるのか、を考えていくお話です。
 
以下ネタバレ
 
私は経済学や社会学などにとんと疎いもんで、
この本が、資本論や経済学の有名著書の内容を
ものすごくわかりやすく噛み砕いたものだということさえ
知らずに読んでしまいました。
 
しかし、誰もが言葉では知っている大事なこと。
「人は一人では生きていけない」
「自分に嘘をついてはいけない」
「貧しさを見下してはいけない」
などなど、道徳のテストに書いたら万点をもらえそうな
こういった言葉たちを、そのまま生き方に持って行けますか?
という本なんですね。
 
でもこの本は「人に親切にしなさい」と無粋に直接いうわけではなく
なぜ、人は助け合って、親切にしなければいけないのか
自分で納得がいく答えを見つけて、
自分が納得のいく生き方をしなさい。というんですね。
自分で考えることが必要なんです。
この本には、そのヒントやきっかけが書かれています。
 
エピソードとして今でも心に響いたのが、
友人3人が上級生に殴られているところを
コペル君が見て見ぬふりして隠れたことを後悔するシーン。
コペルママが言うように、
誰にだって一度はそういう体験をしているのではないでしょうか。
 
そこで叔父さんがコペル君に語ったお話は
思わず落涙してしまうほど真実に満ちていて、
あーそういうことなのかと、目の前の霧が晴れたような心地がしました。
 
やってしまった過去と、これからの生き方を一旦切り離して
今できる最良の選択をする。
そう、言葉にすると陳腐なんです。これは「体験」して初めて
意味を持ってくる本なのだと思います。
 
やっぱり説教臭い本は苦手なのですが。
この本はいろんな人に読んで欲しいです。