僧正殺人事件 (S・S・ヴァン・ダイン全集) (創元推理文庫)/東京創元社
¥945
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皆さんこんばんはー(*´∀`*)
 
今日はセンター試験の二日目だったそうですね。
うまくいった方も、そうでない方も、
気持ちを切り替えて本試験に望んでくださいまし。
多分受験生の人はこのブログ読んでないと思うけど!!
こんなブログ読んでてもなんの価値もないよ!
単語覚えて!!早く!
 
さて、今日の本はヴァン・ダイン『僧正殺人事件』です。
ヴァン・ダインの名前を知ったのは
新本格の幕開けとなったあの名作でございました。
それまでは少年向けにリライトされたやつを少しだけ読んでたかな?
ファイロ・ヴァンスものの4作目。
これを読まずしてミステリー語るな!と言われるほどの名作。
こりゃ読まんとダメじゃろ。と読んでみました。
 
「誰が殺したクック・ロビン?」のマザーグースは
被害者・犯人・目撃者など登場人物が魅力的なこともあり
ミステリにおける見立てやスパイスによく使われますよね。
他にも使用されている作品は
 
ハリントン・ヘキスト『誰が駒鳥を殺したか』
フィリップ・マクドナルド『鑢(やすり)』
エリザベス・フェラーズ『私が見たと蠅は言う』
エラリー・クイーン『生者と死者と』
アガサ・クリスティ『ポケットにライ麦を』
 
などがあるそうです。
有名な作家さんたちが使用されているんですね。
年始にやっていた『金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件』
のドラマでもなにやら暗示的な使われ方をしていましたね。
 
以下ネタバレ感想
 
ファイロ・ヴァンスは作者によって「イケメンじゃない」判定が
下っているんですけども、
そこは腐女子フィルターかけてイケメンにしますよ。
片眼鏡なディレッタント素人探偵。
おいしい!!もう設定が美味しいよ!!
相棒のヴァン・ダインは法律顧問?だそうで、
あまり会話が出てこないけど。
一緒にランチ行ったり芝居見たり仲いいなおまいら(^ω^)
(もう何が何でも腐らせようというね)
 
さて、肝心の殺人事件ですが、
マザー・グースの歌詞に載せて次々と殺人が起こるんですね。
殺人自体はそんなに不可解なものではないかな?
目撃者や当事者が様々な思惑で偽証しているので
「全員にアリバイがない!!」みたいな不可能犯罪性は
あまりない感じ。
 
それよりも、子供のお遊びの童謡の裏に隠された
数学的思考による狡猾さと、それにより抑圧された欲望
なんかがこの小説の楽しいところなのかもしれません。
ヴァンスや数学者たちが交わすペダンチックな談義は
管理人にはちんぷんかんぷんなんですが、読む人が読んだら
楽しいのだろうなぁ。
ヴァン・ダインって超賢いんだな(´ー`)
さすが大学教授なだけあるよな……。
 
後半はもう続きが気になってしゃーない。
ヒース刑事部長がイケメンすぎ。かっこよすぎ。
犯人の性格歪み過ぎ。アダルトチルドレンすぎ。
 
ヴァンスが最後に仕掛ける奸計は
「ええ!探偵としてそれありなの!?」
と思いましたが、ドラマチックで印象的。
ま、犯人の自業自得だよね。
 
トリックというトリックはないのだけれども、
綿密なプロットなので硬派なのが好きな人におすすめ。