頼子のために (講談社文庫)/講談社
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皆様こんばんは~(*´∀`*)
 
今日は職安に行ってまいりました、管理人です。
もうね、仕事くださいマジで(ノ∀`)ノ クレクレ
本の紹介も元気よくしたいんですが、
自分の仕事に対するガッツのなさというか
甘さにほんと辟易して、只今絶賛落ち込み中です。
働かざる者食うべからず。
穀潰しの状態から1日でも早く脱却せねば。
 
そんなわけで、本日もさらっと紹介、
法月綸太郎さん『頼子のために』です。
法月シリーズ三作目!
作者さんの言うとおり、
キャラクターがずいぶんはっきりしてきて読みやすい。
そして小説としての完成度も非常に高い。
ひとつの到達点と言われるのも頷けます。
 
以下ネタバレ
 
物語は、ある人物の手記から始まります。
筆者は、頼子という17歳の娘を殺された父親、西村悠史。
14年前に愛する妻の下半身と、まだ見ぬ弟を
暴力的な事故に奪われて、その痛手から立ち直った矢先でした。
愛する娘のために、犯人を探し出そうとする西村。
犯人と思しきは、頼子の高校に勤めるひとりの教師、
彼の犯行を確信した西村は彼を殺して本懐を遂げ自殺。
手記にはこのような内容が記されていました。
 
そこで学園側から調査を依頼されるのが法月さんなんですね。
法月さんはいろんな方面から依頼を受けることが多いですね。
そういう自由で、動きやすく動きにくい微妙な立場なのが
法月綸太郎という探偵さんの特徴のひとつかしらん。
 
事件の全容を綴ったのが一人称である手記だったので、
多分に疑ってかかりましたww東野さんの例の作品で
こっぴどく騙されましたのでwww
もう手記→客観性ゼロ→嘘つき放題→そいつ犯人なんじゃね?
という根拠も何もない疑いを西村に向けちゃいました/(^o^)\
 
周りの人間への丁寧な聞き取り調査で、
徐々に西村とその不運な奥様の人間性がわかっていくんですね。
ここは普通に小説としても面白い。
 
真相は、多分現在はそう真新しいものではないと思いますが、
20年以上前にこんな作品を書いていただなんて!
どうして今まで読まなかったのかと後悔するほどの完成度。
どこかにあるエピソードを切って貼り付けたような一作目や、
推理のトライアンドエラーでこれでもかと戯れた二作目に比べ
圧倒的に間口が広く読みやすい。そして面白い。
作家として着実に成長されたのだなぁと思いました。(偉そうですいません
 
西村の自殺を止めない綸太郎も独特のキャラクター設定ですよね。
彼の言葉からはなかなか伝わってこないのですが、
文面から静かな怒りを読み取ることができます。
彼なりのけじめのつけ方というか、
思考回路にも興味が湧きました。
 
いや~落ち込んでいたけれど、これは面白かった!
次も楽しみ!