誰彼 (講談社文庫)/講談社
¥730
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皆さんこんにちは~(*´∀`*)
 
2020年が東京に決定したそうですね。
コミケがないという個人的な意見はさて置き、
とても喜ばしいことだと思います。
成長する、という目標がなくなってしまった今の日本に
なんというか希望というか明るい未来のイメージを
持つことができるようになるのではないかなと思います。
これで雇用が回復するといいんですけど(無職)
管理人は地方に住んでおりますが、
東京まで応援に参ろうと思っております。
 
さて、世間様から隔離された私がおすすめする
本日の本は法月綸太郎さん『誰彼』です。
あとがきに「前作は目新しいものが全くなかったという
意見を頂いたからぶっとんだのにしてみた」
と書いてあるとおり、密度の濃ゆい作品になってます。
 
でも、なんていうか根底には法月さんの真面目なところというか、
自分では本格ではないと言いつつも本格臭がするというか。
なんだかんだでやっぱりらしい作品なんじゃないかなと思います。
 
以下ネタバレ
 
本書のキモは言わずもがなの首のない死体ですよね。
首のない死体に詳しいわけではないのですが、
だいたい
・死体の身元を錯覚させる
・死体の真の死因を隠蔽する
これくらいしか初心者には思いつかないっす。
 
本作では見張りのついた塔のてっぺんで瞑想していたはずの
カリスマ宗教家(メンター、甲斐辰郎)が、アパートの一室で首無し死体になっています。
現象としてはとてもミステリーっぽい!
この不可能感!wktkしますね(・∀・)
 
瞬間移動?の謎はメンターの二重生活という
結構現実的なあっさりした解答なんですが、
この死体の身元をめぐる法月父子の推理合戦が面白い。
 
死体の可能性があるのは甲斐辰郎と安倍兼等のどちらか。
辰郎と兼等は兄弟、兼等には双子の兄、誓生がいるがご存命なので除外。
死体はメンターのものだという結論になっても、
本当にメンターは甲斐辰郎なのか?
本当に兼等は生きているのか?
脅迫状との関連性は?
アリバイのない教団関係者の偽証の真相は?
可能性をひとつ見つけては、
あっさりとその期待を破られる事実が判明します。
 
メンターが難聴の手術を頭部にしていたものだから
またややこしいwww
首を持っていったのはメンターであることを隠すためだ、
いや、首がない=メンターだと思い込ませるためだ
という裏の裏を描いた推理に管理人はひいこら言ってましたw
 
そしてジャパゆきさんの女性の少しの表情から分かった
事件の真相がまぁすごい。
しかしすべてのヒントを綺麗に並べると
この真相になるんですねぇ、ほんとお見事。
 
結局は兼等無双だったわけでwww
辰郎とも入れ替わり、誓生とも入れ替わりの
二重の入れ替わりという離れ業をやってのけたわけですね。
これはすごい。
 
犯行の動機はエディプスコンプレックスで説明がついてますが
ここに来て私はようやく
「あー!だから甲斐と安倍(カインとアベル)なのか!」
と気づきました。おwwwそwwいwwww
 
いやー、脳が疲れました。
力技と丁寧さを両方味わうという貴重な体験をしました。
今回綸太郎さんがいっぱい出てきてくれて
ミーハーな管理人はそれだけでうふふでしたけどね!