- 星を継ぐもの (創元SF文庫)/東京創元社
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みなさんこんばんはー(*´∀`*)
天気の良い週末でしたね。
お外で遊ばれた方も多いのではないでしょうか。
かくいう私は日々の雑務をこなし、
プールに行って泳ぎ、神社をめぐり
そして何故か神社で本を読んでいた週末でした。
本日ご紹介するのは珍しい!ハードSFです。
SF好きの方からおすすめいただきました。
このブログに足を運んでくださっている方の中には
「えーSFぅ?しかもハードぉ?(´・ω・`)」
「さらに海外翻訳物ぉ?(´・ω・`)」
「(ヾノ・∀・`)ムリムリ」
となってしまう同士もきっといるはず!!
管理人もそうでした。
しかもこれ表紙がね。もうガチっぽい表紙なんですよw
宇宙服着てるしねwwなんかスペースオペラっぽいし。
というわけで、私も「死ぬまでに読めればいいか」
くらいの気持ちで先送りにしていました。
が
これは読んだほうがいい!!!!!!!
内容ももちろん素晴らしいですし、
池央耿さんの名訳が翻訳物の苦痛を感じさせません。
一つ解決するとまた生まれてくる新たな謎が
読者を引き込んで離しません。
読書中のスピード感、高揚感、
読書後にほんの少しだけ変化した
自分を取り巻く空気と自分自身。
こんな読書体験は久しぶりでした。
やはり他ジャンルの名作は一度読んでおいたほうがいいなと思いました。
あー自分で書いててマンセー(*´∀`*)具合に引くwww
でもね、ほんと読んでよかった。
以下ネタバレ
冒頭で、二人の男がどこかを目指して歩いています。
一人は今にも倒れそうで、もうひとりはコリエルというらしい。
空気がないから瞬かない冷たい星の下で
その男は息を引き取ります。
そして時代変わって近未来。
ヴィクター・ハントという男がUNSAに呼ばれ、
ひとりのとんでもない死体の解析を任されます。
それが「チャーリー」と名付けられた不可解な男。
彼は我々と同じ姿かたちをしていながら、
5万年前に死んでいたのです。
しかも我々の科学技術と同等かそれ以上の技術を携えた
赤い宇宙服を身にまとって!!
彼が所持していた遺品から、放射性同位帯元素年代測定、
地球とは異なる周期のカレンダー、単位
次々と新たな事実が明らかになりますが
それはチャーリーがまったくもって我々と同じ人類であることを
裏付ける証拠にしかなりません。
・彼は我々の直系の先祖なのか?
・彼はどこで生まれたのか?
月で生まれた彼はルナリオンと呼ばれ、
ミネルヴァというかつて存在した太陽系惑星にいたことが解明されます。
ミネルヴァではランビアとセリオスという二つの国が対立し
どうやらお互いを攻撃し合って滅びた模様。
しかしどうしてそれが地球人と類似しているのかはまったくわからない。
そんな折に、再び事態は進展します。
木星の衛星ガニメデで、我々よりも100年進んだ技術を持った
ガメニアンと呼ばれる巨人の宇宙船が発見されます。
これは行ってみればノアの方舟のようなもので、
地球のあらゆる生命を連れ出し、ミネルヴァに運んでいました。
その後も喧々諤々の議論が続くのですが、
その末に出た結論がね、もうね……。
実際にある宇宙や進化の謎をパタパタパタと閉じていくんですよ。
畳み掛けがすごい。畳職人です。
地球から2500万年前に連れ去られた我々の祖先は
ミネルヴァに適応し、人類へと進化。
連れ去った張本人の巨人は環境が合わなくて出てっちゃいました。
そこで知恵をつけた人類はお互いに戦い
新天地を求めて衛生である「月」へと進軍。
しかし激化する戦いについに故郷のミネルヴァは破壊され、
その衝撃で月は現在の地球の衛星に。
残ったルナリオンは飢え死にか、
地球への片道切符を切るかの選択をし、
地球で再繁殖して今の我々に至る。
そういう結論になりました。
そうすると、いきなり5万年前から地球の自転周期がおかしくなったことや、
ネアンデルタール人から人類への失われたミッシングリンクに説明がつけられるんですね。
もう感動しました。
一縷の望みを抱いて地球へと飛び立ったルナリアン、
そして戦い抜いて今の人類にまで上り詰めた彼らの人生。
もう管理人号泣です。
SFだと分かっていても号泣です。
文章がね、またいいんですよ。豊かで調達です。
あーもう(゜´Д`゜)
読んでください!ミステリばっかり紹介してますが
これはミステリ好きの人にこそオススメです。
毛嫌いしないで!!損はさせませんよ!