- フランス白粉の秘密 (角川文庫)/角川書店(角川グループパブリッシング)
- ¥900
- Amazon.co.jp
どうもこんばんは~(*´∀`*)
インドアひきこもり人間の常として
体力の低下を真剣に危惧し始めた管理人です。
職場ではエレベーターを使わないなど、
プチ運動をしていたのですが、
もう少し動かないとなーと思って
バスの代わりに歩いて帰ってみました。
大体バス停から3.5km位あるんですけど、
再起不能になるくらい疲れました_(:3 」∠)_
運動不足が如実に…。
しかし苦労した分バス代220円は節約できるわけで。
「(´∀`*)ウフフ得したわい」と考えていた矢先、
しばらく顔を出していなかった本屋の前を通りすぎ…。
買っちゃいました…漫画…。
島田荘司原作、原点火絵
『ミタライ-探偵御手洗潔の事件記録-』
節約できてねえええええ(゜´Д`゜)
でもね、お布施だと思ってね…買いますよ御大の本は。
中には「糸ノコとジグザグ」「傘を折る女」が
収録されていますので、ファンの方は是非!
本日ご紹介しますのはエラリー・クイーン『フランス白粉の謎』。
写真ではイケメンすぎる角川版を使っていますが、
実際に読んだのは創元推理文庫版…これしかなかったの。
でも、創元版でもエラリーマジイケメンですから(*°∀°)=3
ご心配なさらず。リチャードもカコイイですから!
二人が膝の上で手をさぐりあっていちゃいちゃしてますから!
召使のジューナ君もちゃんと出てきますから!
もうおじさん好き大歓喜。脳内お祭り。
本格推理小説好きの人。本当にすみません。
以下ネタバレしてます
ミステリー好きの方に、
「クイーンのスタイルは『フランス白粉』からが本番」
と言われていたとおり。なるほど、出来がいいです。
ローマ帽子もそれなりにもちろん面白かったのですが、
小説としての出来はこちらのほうが数倍いいです。
まさにザ☆本格推理小説。
軟弱な論理しかない奇をてらっただけのミステリとは
ひと味もふあ味も違うぜ!という王道を拝ませていただきました。
事件としてはフレンチズ・デパートの取締役会長のご婦人が、
デパートの特別展示場のベッドで死体となって発見されるだけ。
「えーそれだけで長編一本ですかぁ(´-ω-`)」
となる血に飢えた読者さんもいらっしゃることでしょう。
そうなんです、確かにこの本、前半はややまどるっこしい。
登場人物が多いし(モブっぽい人まできちんと名前があって気が抜けない)
細かい証拠品の謎や、アリバイ、確認事項が多すぎるしで、
若干退屈の感は否めません。
前回はそこでばーっと読み飛ばして、
結局誰が誰かわからなくなり、
真相に行き着いてもぽかーん(゚д゚)としてしまった管理人。
今回はきちんとメモを片手に読みました。
これから読むよ!という方は是非人物を表で確認するといいです。
何度か確認するとだんだんわかってきます。
さて、ご婦人の遺体が見つかったデパートですが、
クイーン父子は
①あるべきはずの鍵が死体付近にないこと
②犯行現場が犯行が不可能なくらい暗かったと考えられること
③Cのイニシャル(婦人のではない)の口紅がバッグに入っていたこと
④おびただしく流れたはずの血が、現場にほとんど残っていなかったこと
から、現場がデパートではなく
アパートの方であると推理。
ここの父子の会話は非常にワクワクしますね~。
さらに、Cの口紅からヘロインが見つかったことから、
事件はただの殺人事件から、大きな麻薬組織にまで広がりを見せます。
次にアパートを調べた二人、
念入りな捜査と、柔軟な推理によりエラリーは
犯人は以下のものさしに叶う者であると推理します。
①犯人は男である
バーニスの仕業と偽装した時に、
靴と帽子を女性がやるようにしまっていなかった。
②単独犯である
これって意外と重要だと思う。
会議室の扉を占めるために婦人から鍵を奪ったところを見るに、
犯人に共犯者はいなかった。
③デパートの関係者
関係のないものなら、死体の発見を遅らせる理由がない。
④犯人は過去6週間アパートに入ったことがない
これは麻薬の取引に使われた本の暗号からの推理。
鮮やかすぎる(゜´Д`゜)しびれました。
消去法って地味な絞り方だけど、
ここまで論理が美しいと感嘆するしかない…。
以上の4つが全て当てはまる人が犯人だったんですね。
もうここのエラリーがカッコよすぎる\(^ω^)/
まさに論理の弾丸で容疑者を片っ端から打ち抜くような。
犯人は特に意外でもなんでもないんですが、
「あー、唯一無二だわ」と完全に納得させられます。
(そういえばこいつなんか後半からすげー絡んでくるよ…と思ってた…!)
素晴らしかったです。こりゃすごい!
『ローマ帽子』も、小さな疑問から大きな謎が解けていく様が快感でしたが、
今回の方が明らかに筆力が高いと思います。
人を面白がらせる方法を完全にモノにしたというか。
前半の「殺人マダー(゜´Д`゜)」と言っていた退屈が嘘みたいに、
エラリーの推理から目が離せません。
読んで損なし!
エラリーの鼻眼鏡(パンスネ)に激しく萌えた作品でした。