実況中死―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)/講談社
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こんばんは~(*´∀`*)
 
最近日が伸びてきたなと感じますね、
私はフレックスタイム制を利用して、
大体16:30に仕事が終わるようにしているのですが、
仕事が終わって「お、まだ夕焼けが見えるくらい明るい」
と感じるようになりました。
もっとも、残業が多いので日が暮れてから
退社する方が多いんですけどね_(:3 」∠)_
 
ブログの趣旨とはずれるのですが、職場の話をひとつ。
20~30歳以上の方は、昔ドモホルンリンクルという化粧品の
「一滴一滴見つめるだけの仕事云々」というCMをご記憶ではありませんか?
当時小学生だった自分は「なんて楽な仕事なんだろう」
と思っていたのですが、実際やってみると…拷問でした。
別に化粧品会社に勤めているわけでもなんでもないのですが、
とある化合物を濾過していて(まさに一滴一滴)
仕事が終わる時間が1時間も伸びたんですね\(^ω^)/
ほかの仕事は全て片付けていたので、特にやることもなく…。
ただただ水滴が落ちるのを待つのは拷問でした…。
 
さて、余談が過ぎました。
本日ご紹介するのは西澤保彦さん『実況中死』です。
はまってますね~(*´∀`*)
シリーズにハマると読まないではいられない性分。
シリーズモノって当たらないと「ふーん(´ー`)」
で、次作品に手を伸ばそうとは思わなくなりますが、
当たると次々と読みたくなりますね。危険!
そのシリーズでまだ未読の作品があるときが至福(*´ω`*)
本作はチョウモンインシリーズの第二弾です。
 
以下ネタバレしてます
 
西澤さんは自分の勝手な評価で
「コンスタントに一定のレベルをものしてくれる作家さん」
というイメージで。
あまりドカーンとした作品はないかな~と思っていましたが…
すいませんでした_(:3 」∠)_土下座。これすごいです。
解説の真中耕平さんもおっしゃってますが、
間違いなくフーダニットものの傑作のひとつです。びっくりした(;゚Д゚)!
 
今回の超能力はテレパシー。
"ボディ"の目を通してみた世界が、
"ソウル"の目に送られるというお話。
超能力の保有者は"ボディ"のほうであり、
"デコーダー"と呼ばれるきかっけで映像が送られるという仕組み。
 
事件は、とあるストーカー男が
一人の女性を殺害するシーンを見てしまったという主婦の騒ぎから始まります。
 
■第一の事件
 
被害者:金谷澄子(勘違い\(^ω^)/)
犯人:岡安素子
 
夫の浮気相手と勘違いされて、主婦岡安素子が殺しちゃったかわいそうな人。
岡安はこの殺人の記憶が落雷で曖昧になる&ソウル能力を身につけてしまったため、
ボディの人物=殺人犯だと思い込んでしまう。
 
■第二の事件
 
被害者:阿久津礼子(注意を喚起しようとおもったら誤って…)
犯人:岡安素子
 
かわいそうすぎんだろこの人も(゜´Д`゜)
ストーカーに狙われていることを知って欲しくて、
岡安が軽~く襲っただけなのに死んじゃった人。
 
■第三の事件
 
被害者:保科匡緒(殴られただけですけどね)
犯人:遅塚大介
 
ここでまさかの保科さんフェードイン。
一連の事件に彼も関係していたんですね。
阿久津殺害を保科さんのせいだと思い込んだ
遅塚さんの犯行でした。文庫版p25にちゃんと遅塚さんの名前が\(^ω^)
げ、芸が細かいぜ…。
 
■第四の事件
 
被害者:佐藤照代(妻との離婚の原因となりそうだったから)
犯人:岡安清隆
 
被害者と加害者をまとめるとこんな感じ。
まんまと一連の事件は連続殺人事件で、
犯人=ボディだと思い込まされていたために、
ボディ=保科さんだとわかったときは嘘やあああああああ(゜´Д`゜)
となりました。騙された!くそう!
しかしこの清々しさはいったいなんなのだ。
 
保科は自分の作品がオフ会で盗作されたのではないかと気を揉み、
当時のメンバーを尾行していたのですね。
それが素子に映像として見えていたと。
そして、落雷のせいで記憶を失った素子は1、2の事件には
まったく自覚がなく、第三の事件はモブの犯行、
第四の事件は犯人が全く別の人という展開でした。
 
いやー、すごい。無駄がない。
文庫本たった400ページほどで、これだけの情報を
分かりやすく、そして面白く書くのは並大抵の腕ではないでしょう。
作中で「意外な犯人なんてもう無理ぽ(ヾノ・∀・`)ムリムリ」と
作者の分身とも言える保科さんに言わせている西澤さんですが、
いやはやそのカラを自ら破って見せつけてくれます。
ミステリー小説はガチガチに凝り固まった制約の中で、
いかにして面白いものを作るかが勝負だと言われますが、
西澤さんはその制約の定義そのものを新たに作り出し、
ほかの作家さんとは全く別の本格フィールドで遊び、勝負している感じがします。
(遊んでいるとか書いたら怒られそうだけど:(;゙゚'ω゚'):)
 
本格パズラーももちろん面白いですが、
三人の行方も気になるところ。
この三人がねぇ…(特に匡緒さんと嗣子さん)グサッとくるこというのよ…。
普段気づいてるんだけれど、口にしないことでプライドを保っているような
人に知られたくない考え方とかがこの作家さんには筒抜けなんじゃないかしら。
男女の友情とお風呂の話とかねぇ…。
そういった意味でもこのシリーズ非常に気になります。
続きも読むぞ~。