- バイバイ、エンジェル (創元推理文庫)/東京創元社
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今日は寒かったですね((((;゚Д゚))))
雪が降っていたところもあるとか。
節分過ぎたらもう春だし、
そろそろあったかくなってくるかなー(*´ω`*)
と思っていた矢先の不意打ちでございました。
この季節は気持ちが停滞すると同時に、
何か漠然とした不安を抱える時期でも
あるのではないでしょうか。
学校に行ってらっしゃる方は卒業や進級、
就職活動中の方はこれから始まる面接、
病気などで苦しんでいる方は、
ほかの人たちが萌芽するはずの4月を迎えるにあたって
「なぜ自分だけ…」と落ち込んでしまうことも。
でも、不安になることないです。
私事ですが、去年の今頃なんて
外に出られないくらい気分も体力も落ち込んでいましたが、
今はそれなりに回復して嘱託ですが仕事もしてます。
焦ることないっすよ。
さ、なんか説教ちっくになってしまったので
さっさと本日の本行っちゃいます。
今日は笠井潔さん『バイバイ、エンジェル』です。
初めて読む作家さんです。
読んでみた感想…
哲学とか西洋史やってない自分にはわからん\(^ω^)/
なのでこの作品に対して、
そういう解釈をお望みの方は
もっと素敵な読書サイト様をご訪問くださいまし。
「わかんねーけど、うん。なんか楽しかった」
っていう人、同士です。
以下、ネタバレ感想。
舞台はフランス。探偵役は現象学を追求する
日本人(学生?)矢吹駆。
フランスの旧家、デュ・ラブナン家は
一時期隆盛を極めるも、没落。
一方、その小作人であったラルース家は
幸運にも鉱脈を掘り当て、財をなした。
最初に殺されるのはオデット・ラルース。
ラルース家の財産を事実上掌握している女。
彼女は殺される前日、妹のジョゼットと大喧嘩し、
翌日発見された死体には首がなかった。
所謂顔のない死体、というのがこの小説をミステリーとして
捉えた時のネタの肝です。
種明かしを読みまして…新しい!
この顔のない死体のない解釈って今まであったんだろうか!
顔がない=殺された人物の隠匿
という考えが、自然なものだと思いますが、本作は
顔がない=殺された時間の隠匿
でした!こりゃすごいです。なるほど!
決まった時間に毎日化粧をするオデットの
習慣に基づく隠蔽工作でございました。
矢吹さんの「推理小説的な<意味沈殿>」という反論が
ぐさりときますね。顔がない=身元の隠蔽。
誰だってそう思ってしまいます。
推理小説愛好家なら尚更!
第二の被害者はデュ・ラブナン家のアンドレ。
アンドレとオデットは愛人関係にあり、
財産を狙う妹とオデットの前夫の共同経営者が
二人を殺したというのが犯人の書いた筋書き。
このトリックは亜愛一郎さんの短編に似てるかな。
しかし、電話を使ってアリバイを作るなど、
女優という犯人の性格をうまく用いているあたり
うまいな~と思います。
第三、四の殺人は犯人と思われたジョゼットとデュロワが
協力者に裏切られて殺されるという
これまた出来すぎた結末でした。
ここまで来たらもう真犯人なんて蛇足なんですが、
書記のナディア以外の学生たちが革命派だったんですね\(^ω^)/
ボス格の犯人さんが解説してくれているんだけれど
凡人にはわからねぇべ…_(:3 」∠)_
とにかく今までの革命は「国家」と「人民」の
癒着の上に成り立っているもので、真ではない。
犯人たちの理想は性行為も労働もない、
自分の全てを投げ出した生き方だ…ってことか?
わかりません!教えてエロい人!
印象的だったのは矢吹さんの
「人を殺すのは大したことじゃない、
むしろ殺すことに大仰な理由をつけて正当化する方が
よっぽど問題だ」的な主張。
え…そうなの?
これを今から読もうと思っている人は、
フランス革命と、日本赤軍の勉強をしてからの方がいいですお^p^
もちろん、純粋にミステリーとしても十分に楽しめますので
つまんないかも…っていう心配はご無用ですけどね!