- ABC殺人事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)/早川書房
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水曜日。週の中日ですね。
お仕事に行っておっれる方も、
学校に行っておられる方も、
体調が悪くて何もできなかったという方も、
今日がお休みで一日中楽しかったという方も、
どうぞ残りの日々も乗り切れますように。
今日はたくさん仕事をこなせたので
心に余裕がある冒頭で始まりました。
私はマウスの細胞を育てる仕事なんかをしてますが
細胞って体調があるし、寝起きもあるし
でもちょっとカビなんかが入るとすぐに負けてしまうし、
まるで嬰児を扱うように繊細にならなければなりません。
で、凝り固まった緊張は何でほぐすかというと
陰惨な殺人事件と初老の探偵ですね^p^
本日ご紹介するのはクリスティ『ABC殺人事件』です。
ミステリに興味がない人だって
その名前は知っている有名な作品です。
以下、ネタバレ感想いってみよ!
ポアロシリーズの一つ、
私がいままで読んだのはオリエントとアクロイドだけだったので
ヘイスティングス大尉の手による作品を読むのは初めてです。
この大尉がねぇ~おじさん好きの心を
これでもかとくすぐるくすぐる(*´ω`*)
ちょっと天頂が薄くなってきたのが気になる
初老のおいたんです。かぁいい(*´`)
今回の事件では、ポアロに殺人予告状とも言える
脅迫文が届くところから始まります。
そして、その脅迫文の通りに
Aから始まる街でAから始まる名前の人が殺され、
Bから始まる街でBから始まる名前の人が殺され、
C…
というふうになんの関係もない人々が
次々と犯人の餌食になっていってしまいます。
もちろん被害者たちにはなんの共通点もなく、
人に命を狙われるような覚えは全くありません。
ポアロは被害者遺族たちを一同に集め、
警察とは別行動をとって犯人を探し始めます。
読み進めていくうちに、この小説のメインテーマは
「なぜABCの順に殺人を行ったのか?」
つまりWhy?のミステリであることがわかってきます。
そして僅かな証言とポアロの名推理が奏功して、犯人と思しき人物も、
その他大勢のいわゆるモブの中から探し出されます。
読者は
「あ~うん。やっぱり犯人は狂っていて、
偏執的な連続殺人を行ったのねー。
で?結局なんでアルファベット順なの?」
と半ば予期していた結末を示されてガッカリしつつも、
それでもWhy?の謎に向けて突き進むポアロに
ついて行くこくことになります。
私も、今回はWhyものなのか~
確かにドラマチックだし気にはなるわな…と
完全に油断しておりました。
しかし!キタ━(゚∀゚)━!残り数十ページのマジック!
逮捕されたモブ男は犯人じゃなかった!
犯人は被害者遺族の中にイター!!
しかも自分の関係者を殺すためだけに
「木の葉を隠すなら森の中」理論に則って
関係ない他の3人殺してた^p^マジキチwww
いやー、まんまと騙されました。
Why?と見せかけてWho?そしてまたWhy?へ…
謎の宝石箱や~。
「全く関係のない被害者たちに何らかのつながりがある」
というミッシング・リンク的な謎はややもすると
力技でねじ伏せるオチになりがちですが、
解説の法月さんもおっしゃっているように
この作品はそこに必然性を持たせている点が素晴らしい。
真相が明らかになるにつれて、ポアロがこだわっていた
「犯人の内面」の追求が必要不可欠になってくるのです。
いや~クリスティは本当に全部やっちゃってますね。
この人のあとにミステリーを書こうとしている人は
このとんでもない大御所にどれだけ苦しめられているのか…。
全然関係ないけど腐女子に片足突っ込んでる身としては
ポアロとヘイスティングスの会話にいちいち萌え。
へ「謎わかったんだろ~?教えてよ~(´ε` )」
ポ「自分で考えなさい(`・ω・´)」
へ「(´・ω・`)」
おっさんたちじゃれるなじゃれるなwww
※多分に妄想が入っております
これからも二人の活躍から目が離せません。
ポアロシリーズは全部で34冊出ているそうです。
あと31回もこの卵頭の素敵なおじさんの作品に出会えると思うと
まだまだ死ねないなと思います。