翡翠の城 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)/講談社
¥820
Amazon.co.jp

さて、本日は建築探偵第三弾!『翡翠の城』です。

篠田さんの作品を拝読するのはこれが3作目ですが、

うーん(;´д`)面白いんだけれど…なんか合わないんだよなぁ。


・私の大好きな館もの。

・探偵が絶世の美男子

・仲間が男性ばっかりなホモソーシャル空間

・謎の美女や可憐な少女

・探偵自信や仲間の過去が描かれる

・もちろん本格推理もの


これだけ好きになる要素が揃っているのに、

なんで拒絶反応が出てしまうのだー!(でも読んじゃうけど)

多分それは同族嫌悪というか

材料が揃いすぎてて自分で妄想できないからなのかなと

ふと思った(なんて身勝手なwww)


あとシリーズものの長所である

「探偵さんがいてくれるから安心(´∀`*)」感がないからかなー。

今ひとつ桜井さんという人がつかめない。

どういう行動原理に基づいて行動しているのかがわからない。

建物を見ることで、その先にある人間を、その人間の抱える問題を

解決する探偵だということは理解できるのだけれど、

なんだか安心感がないのですよ…まだ味方じゃないっていうか。

その点深春さんは安心ヽ(;▽;)ノ照英かわいいよ照英。


さて、なんか不満ばっかり抱えてるみたいな出だしですが、

喜んで読んでます!だんだんわかってきた蒼君の過去とか、

今回から帰ってきてくれた神代教授とか

(キャスティングは仲村トオルあたりでいっか←適当)

極彩装飾の不気味な館とか、嫌いなわけないじゃん!


ではでは、ネタバレ感想行ってみよ!


さて、今回事件が起こるのは日光にある『碧水閣』。

関係者はその系列ホテルを取り仕切っている巨椋一家です。

不連続殺人事件で複雑な家系には慣れてきたのですが、

これもなかなかに複雑です。


問題の中心は、ホテル経営権を握る社長を、

創設者幹助の直系である月彦にするか、

妾の血を付く秋継にするかというもの。


ちょっとややこしいので謎と解決を箇条書き


・真理亜はどうして病院から出てこないの?→実は”たか”=真理亜

・幹助は真理亜が見た通りフェレッティを殺したの?

→フェレッティはカテリーナを止めようとしてナイフを奪っただけ。

・幹助が和洋折衷にこだわったのはなぜ?

→焦がれるカテリーナと自分との同化を望んだ

・百合亜が自殺したのはなぜ?

→幹助のために無理やり愛してもいない人の子を孕ませた

・深春を襲ったのは千秋、共犯は弥陀


なんかしっくりしないなーと思ったら、

館の謎と殺人事件の謎の関連があんまりないってことかな?

それぞれが独立した謎で、しかも殺人事件の方は

京介さん絡んでないし…なんか…なんか違うんだよ!

面白いし、本格なんだけど。なんかしっくりこなーい!


これは諦めてキャラブックとして読んだほうがいいのか…。

なんだろう、誰にも共感できない…。

幹助の貫いた愛は独りよがりな子供じみた偏愛、

真理亜は確実に百合亜の自殺の原因を作り、救われるべきでない、

星弥はイタリアから実家に帰るべきじゃなかったし、

千秋と弥陀の意見もわかる気がする。

なんかお前ら大人やろ!と言いたくなるような、

正直すぎる人が多い。


探偵たちの軽妙な会話は楽しいし面白いんだけれど、

漫才の台本をそのまま見ているようでなんかしっくりこない。


ううー(´Д⊂なんか批判するなら読むなよと言われそうだけれど、

好きなんですよ!好きがゆえに厳しくなっちゃうんですよ!

全部シリーズ読みますよ!大ファンですよ!

ファンの人ごめんなさい!ほんとに!


そして解説の倉知さんおもしろすぎ!

倉地さんってこんなお茶目な人なんですねw