不連続殺人事件 (角川文庫)/角川書店
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最近どうぶつの森のせいで寝不足です。

こんばんは、本日は坂口安吾さん『不連続殺人事件』です。

もう…ね、もう…これは人大杉\(^ω^)/

登場人物三十人越えです、こりゃすごい!

基本的に歌川多門という作家の妾さんや前妻、

血縁関係…痴情がもつれすぎ!爺さんwww


本を読みなれている人には余裕かもしれませんが、

私のような読書難民にはちと辛い。

そこで人物関係図をメモしてから読み始めました。

↓お世話になったサイト

http://tora.blog.eonet.jp/default/2011/12/post-e2bc.html

ここに映画化された時の人物相関図が載っています。

これを見ながら読めば大丈夫!

人数は多いですが、個性的すぎる人物ばかりなので

イライラすることはそんなにありません。


では、ネタバレ感想いってみよ!

有名な作家歌川多門の息子、一馬から

友人の矢代寸兵(私)に手紙が届いた。

なにやら、多門の前妻、梶子の命日に事件が起こるという

脅迫状めいた手紙が届いたからひと夏の間別荘に来てくれという。


集まったのは肉欲と欺瞞に満ちた変わり者ばかり。

女も男も得てして色情魔ばっかり!

誰が好きだの、誰をあしらっただの捨てただの

これでもかってくらい不快。

その中でも土屋光一が一番キテる。

もうこいつ主人公みたいになってんじゃんと思ったら…アッー!((((;゚Д゚))))


梶子の命日に向けて、関係者が次々に死んでいきます。

王仁→睡眠薬+刺殺

珠緒→酔いつぶれているところ絞殺

千草→神社で絞殺

内海→ベッドで刺殺

加代子→ピカ一のカップの珈琲を誤って飲んで毒殺

多門→知らぬ間に毒殺(プリンの砂糖ww影薄い爺さんだった)

秋子→滝壺に突き落とされる。不連続のカモフラージュのため。カワイソス(´・ω・`)

一馬→犯人に仕立て上げられて毒殺


毒殺がやはり多いですが、

死に方にヴァリエーションがあります←どうでもいいが


さて巨勢博士のいう『心理の足跡』が今回の推理のポイントです。

内海殺害前のあやかとピカ一の取っ組み合いの喧嘩。

些細なことがきっかけに発展した喧嘩でしたが、

周りが全員味方なのにもかかわらずあやか夫人が外に逃げたのはおかしい、

これはピカ一と何かを話すためにやったのではないか?


言われてみればそうですが、

言われてみるまでまったく気づきませんでした。

危ない綱渡りでうまく犯行をこなしてきた二人ですが、

ここら辺からボロが出てきます。


そういや、内海殺しの時にお互いが確固たるアリバイを

証言し合っているぞと。

千草殺しも先に家に帰っていたピカ一なら可能だぞと。

物的証拠は何一つないですが、

料理屋の人物から、二人が東京で頻繁に会っていたという証言がとれたそうな。

動機は歌川家の財産。

観念した二人は自殺して事件の幕がおります。


ううーん、なるほど!『心理の足跡』とは非常に面白い!

紐やなんやを使った物理トリックも好きですが、

こういう犯人の行動から推理されるものもいいですね。

さらにこの二人の奇行が目立たないように

奇人ばかりを屋敷に集めてカモフラージュしてある。すごい。


坂口さんという方は文学でしかお名前を存じ上げませんでしたが、

ミステリーに対する造詣はめちゃめちゃ深かったご様子。

海外ミステリーの『合理性』に感嘆しつつもマンネリ化に疑問を抱き、

日本のミステリーのパズル要素を排した怪奇化に警鐘を鳴らし、

新たな推理小説を目指してかいたのがこの作品だそうな。

当時は懸賞付き犯人当てが行われたそうで、

何人か正解者もいたらしい。(ノ゚ο゚)ノ オオォォォ-


今読んでも全く色あせない丁寧なプロットに

安吾さんのミステリー論が垣間見える台詞の数々。

解説もためになります。ミステリファン必読の書!