ご、ごめんなさい!
この作品は、第10回SFマガジン読者賞国内部門で受賞されているすごい小説なんです!
なんですけど、私の頭じゃちょっと理解できなかったのですよ!
もう難しい理論とか現象とかは頭を素通りしていってしまうわけです。
なので、たぶん本来の楽しみ方はできていないのだろうなぁ…と思って星2つにしました。
では以下、ネタバレ感想いってみよ!
①時計の中のレンズ
<歪んだ円筒世界>からカオスの谷を越えて
<楕円体世界>へと民を導く少年族長のはなし。
この世界観の近似計算をあとがきにも出てくるいろもの物理学者さんという方がやってくれています。
http://homepage3.nifty.com/iromono/books/kobayashi.html
み、見てもわかんねぇ…でも世界のだいたいの形は想像できた気がします。
私に理解できたのは翼のついた羊さんカワユス(*´∀`*)ということと、
族長は失恋したんだなーふーん…ということだけでした。
小林先生まことに申し訳ございません。
②独裁者の掟
第一帝国と民主連邦という二つの巨大宇宙船(?)で繰り広げられる、
少女カリアと血も涙もない総統閣下のお話。
読んでいるうちに「ん?辻褄合わなくない?」と思っていたのですが、
ラストを読んで納得。なんとも切ない物語。
この話については東北大学のSF研究会さんの解説でよくわかりました。
http://www.geocities.jp/tohoku_sf/dokushokai/seawatcher.html
な、なるほど。船のブロック構造にはそういう意味があったのか…。
③天獄と地国
重力が外から内ではなく、内から外に働いている世界での話。
そこでは移動するのも爪を立てて一歩一歩進まなければならない大変な世界。
これも誰か絵にしてくれないかな…私にはわからないよ…。
とにかく真空で宇宙服脱ぐとそんなにやばいことになるのねと思いました。
空賊が基地を荒らし、そのおこぼれに与る<落穂ひろい>のメンバーたち。
カリテイのいう伝説の中の「重力が外から内に向かう世界」は本当にあるんだ!とカムロギが気付く話。
長編にリメイクもされているそうです。そっち読んだら少しは理解できるのかしら…。
④キャッシュ
宇宙間を移動するのってすごい時間かかるから、冬眠することにしようぜ!
でもそうすると脳が退化して記憶全部なくなるから仮想空間つくろうぜ!
仮想空間のメモリを極限まで小さくするために人工知能キャッシュをつくろうぜ!
あれ?でもさ、冬眠中に人間が死んでも、キャッシュのおかげで仮想空間では生きてられるよ?
え?
っていうお話。
話は何となく理解できたのだけれど…やっぱりついていけない…。
⑤母と子と渦を旋る冒険
母から分離した子は星間を移動して様々な情報をあつめ、母にその情報を提供するってはなし。
名前は純一郎とか良子とか普通に人間っぽい名前なんだけれど、全然違う
会話はせずに情報伝達物質を体内に注入して意思を伝えるとか…なんか卑猥。
純一郎は情報を集めようとしてパルサーとブラックホールからなる二重の重力で
パルサーの中に閉じ込められてしまう。そこから必死に脱出するお話。
しかし…かあちゃんそりゃないよ…。
⑥海を見る人
これはSFに拒絶反応を示してしまう私でも楽しめました。
SFをファンタジーに脳内変換して勝手に楽しみました。
ある夏の夏祭りで出会った浜の少女カムロミと少年はまた来年の夏会おうねと約束する、
しかし、浜の村と山の村では時間の流れが100倍違うのだった。
時の流れという残酷なものを扱いながら切なさで胸がいっぱいになるストーリ。
⑦門
少年の住んでいるコロニーは非常に平和なところだった。
そこに、地球から来た一艘の宇宙戦艦がやってくる。
その艦長が言うには、このコロニーの近くにある『門』は非常に危険だから
マイクロブラックホールをぶち込んで破壊しなくてはならないそうな。
その艦長と話すうちに、このコロニーでのヘッド的な存在、
大姉は未来から来た人間ではないかと疑うようになる少年。
戦艦の乗組員たちが次々と任務を放棄する中で、艦長と二人きりで『門』の破壊へと向かう。
ラストは原因が先か?結果が先か?という堂々巡りのループの話。
約束は確かに守られたんだけれど…これって話の接合性はあってる?
どうにも理解できなかった…。
総じて。こんな馬鹿な感想しか書けなくて本当に申し訳ない。
私には理解できませんでした…小林先生のお話は今までどれもあたりだったけれど
これはちょっとSF拒絶反応出てきてるかもしれない…。
読みやすいんだけれど読みにくい…。
逆にハードSF好き!っていう方には自信を持ってお勧めしたい作品。