『メイド・イン・バングラデシュ』 底辺への競争はいつまで 続くのか?労働者搾取問題を描いた作品 | ・・・   旅と映画とB級グルメ と ちょっと本 のブログ

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ルバイヤット・ホセイン 監督

 

世界の繊維産業を支えるバングラデシュ。
国内の縫製工場労働者の80%が女性で平均年齢は25歳。
その過酷な労働環境と低賃金に、
たったひとりの女性が立ち向かう

大手アパレルブランドの工場が集まるダッカ。 衣料品工場で働くシムは、厳しい労働環境にあえぐ同僚たちと労働組合を結成すべく立ち上がる。工場幹部からの脅し、夫や仲間の反対に遭いながら労働法を学び奮闘するが…。


23歳のシムは、首都ダッカの衣料品工場で働いている。女性たちがせわしなくミシンを踏み続ける中、工場では男性幹部が威張り散らし、泊りがけも余儀なくされるほど環境は厳しく、給料は未払いが続いていた。家では夫が働かず、シムが働いて得たお金をアテにする毎日。そんなある日、労働者権利団体のナシマ・アパに声をかけられたシムは、同僚たちを説得し、労働組合の結成を目指して立ち上がる。仲間たちと労働法を学び、署名を集め組合結成に向け奔走するが、工場幹部からの脅し、夫や同僚の反対など、さまざまな困難が待っていた…。
『メイド・イン・バングラデシュ』の主人公シムには、実在のモデルがいる。工場の労働組合のリーダーを務めるダリヤ・アクター・ドリという女性だ。ホセイン監督はダリヤさんから詳細に話を聞き、彼女が経験したことをほぼそのまま物語に取り入れた。
監督の話より
「この作品は2013年にダリヤに起きた出来事をベースに描いています。ちょうど同じ年には、ラナ・プラザ崩落事故が起き、多くの労働者が犠牲になりました。これがターニング・ポイントだったと思います。ダリヤのような女性活動家の運動が理解され、女性の労働者を取り巻く状況は大きく改善されていきました」
「大勢の労働者が映画を気に入ってくれました。シムの闘う姿には、これまでになかった新しいヒロインとして、男性も心を打たれたようです。プレミア上映には工場主たちを招いたのですが、彼らの反応も好意的でした。もう少し前だったら違ったかもしれない。やはりあの大事故があって、この10年近くで人々の考え方は大きく変わってきたと感じます」
男性客の反応がよかったというのは、やや意外な感もある。というのもこの映画では、シムの夫をはじめ、工場の経営者、警備員、役人、役所で手続きを待つ人々に至るまで、男性たちは輝きを放つ女性たちと対照的に、一様に生気に乏しい姿で描かれているからだ。これは現実を反映しているのだろうか?

「バングラデシュでは、“男性の危機”が叫ばれています。女性が工場労働者として容易に職を得られる一方で、男性の失業が増加しているのです。映画のように、働く女性の夫が仕事をしていない例はどこにでも見られます。女たちが自立しようと必死に働いてきた一方で、男たちは母や妻に奉仕されて、怠け者になってしまった。学校でも女子の方がよい成績で、進学率も高いんです」

ただしホセイン監督によれば、古い価値観と現実のはざまで苦しんでいるのは、家父長制の下で育てられてきた30~40代の男たちだ。もっと若い世代には希望が感じられるという。20代前半の男性は、ジェンダーの役割について柔軟に考えつつある。こうした変化は、女性たちが理想とする男性像にも影響を与えている。

「かつて女性たちは、養ってくれる男の人と結婚したがった。でもいまは、男女は対等だと考える女性が多くなりました。夫を主人としてではなく、対等な友人として見ている。自分も外で働きたいし、夫にも働いてほしい。家に帰ってたら一緒に食事の支度をしたい。いまの女性たちが結婚相手に求めるのは、支配と従属の関係ではなく、調和のとれた良いパートナーシップなんです」
 

感想

 

インドやバングラデシュなどの国では、役人が権力を持ち庶民の味方になることはありません。
そこで、彼らの失敗を現場でスマホで録音などをして立場を逆転することにより勝利をつかみ取ることが現実のように描かれます。
労働規制が甘い途上国では、労働者が無茶苦茶搾取されることになる。それでも労組を作ったりして労働環境が改善してくると、大企業はもっと安い賃金を求めて別の国に行ってしまう。結局勝つのは一握りの大企業だけで、国籍問わず大多数の人民は貧困化していくというのが「底辺への競争」という話ですが、本作はまさにその最先端を描いた作品だったとも言えるかと思います