『Martin Eden』 ジャック・ロンドンの自伝的小説がマカロニ文芸作品(イタリア舞台)へ | ・・・   旅と映画とB級グルメ と ちょっと本 のブログ

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監督・脚本:ピエトロ・マルチェッロ

絶望の青春──ジャック・ロンドン自伝的物語

船乗りマーティンは裕福な家の娘と出会い、新しい世界へ足を踏み入れる。労働者階級から独学で作家を目指す若者の苦闘を描いた名作。

20世紀初めのアメリカ西海岸オークランド。労働者地区で生まれ育った若者マーティン・イーデンは、船乗りとなり荒っぽい生活を送っていたが、裕福な中産階級の女性ルースに出会い、その美しさと知性に惹かれるとともに文学への関心に目覚める。生活をあらため、図書館で多くの本を読んで教養を身につけ、文法を学んだマーティンは作家を志し、海上での体験談、小説や詩、評論を次々に書いて新聞や雑誌に送るが一向に売れず、彼が人生の真実をとらえたと思った作品はルースにも理解されない。生活は困窮し、絶望にかられ文学を諦めかけたとき、彼の運命は一転する。
密漁者、船乗り、放浪者などを経て作家に転身、『野性の呼び声』で世界的名声を獲得したジャック・ロンドンが、自らの体験をもとに書き上げた自伝的小説。理想と現実のはざまで闘い続ける創作者の孤独な栄光と悲劇を圧倒的な熱量で描いたこの作品は、多くの作家や芸術家に影響を与え、読者の心を揺さぶり続けてきた。20世紀初頭アメリカの階級社会の中で、独学で自己向上を目指す主人公の苦闘は、苛酷な格差社会の入口に立つ現代の若い読者にも切実に受け止められるだろう。

Martin Eden

“ 絶望の青春 ”

20世紀アメリカ文学の傑作、ジャック・ロンドンの自伝的小説がイタリアを舞台に蘇る
運命の女性との出会いが、男の人生を大きく変えていく──

[解説]
労働者階級出身ながら、若き日の破天荒な生活を経て大作家になるというアメリカン・ドリームの体現者であり、冒険小説で一世を風靡した作家ジャック・ロンドン。代表作「野性の呼び声」がハリソン・フォード主演で映画化されるなど昨今再び注目を集めているが、遂にその波乱万丈な生きざまを元に生み出された自伝的巨編が、イタリア、ナポリ出身の気鋭のフィルムメイカー、ピエトロ・マルチェッロの手によって映画『マーティン・エデン』として蘇った。舞台は原作の20世紀初頭のアメリカ西海岸オークランドから、イタリア、ナポリへ移された。貧しい船乗りマーティンが優雅なブルジョワの“高嶺の花”エレナに恋したことから作家を目指し、幾多の障壁と挫折を乗り越えてついに名声と富を手にするが…。果たして彼を待ち受けるのは希望か、絶望か──。
主人公マーティン・エデンを演じるのは、イタリアを代表する俳優の1人、『グレート・ビューティー/追憶のローマ』(14)のルカ・マリネッリ。本作の演技により、2019年ヴェネツィア国際映画祭で『ジョーカー』(19)のホアキン・フェニックスを抑えて見事男優賞に輝いた。“イタリアのアラン・ドロン”と呼ばれる端正な顔立ちと抜群の演技力で、今、世界の映画界が最も注目する俳優だ。監督のピエトロ・マルチェッロは、イタリアで11を超える翻訳が出版されているベストセラーをスーパー16mmフィルムを使用し、ドキュメンタリーとフィクションの領域を自由に行き交う手法を駆使、多様な記録映像を盛り込みながら、あえて厳密な時代設定を避けて時空を超えた普遍的な物語として語ってみせた。

[あらすじ]
イタリア、ナポリの労働者地区で生まれ育った貧しい船乗りのマーティンは、ブルジョワの娘エレナに恋したことから文学の世界に目覚め、独学で作家を志すようになる。幾多の障壁と挫折を乗り越えてついに名声と富を手にするが…。果たして彼を待ち受けるのは希望か、絶望か──。

『マーティン・エデン』

イタリア貴族の若い末裔であるアルトゥーロを殴打から救った後、船乗りのマーティン・エデンは少年の実家に招待されました。ここで彼はアルトゥーロの美しい妹エレナと出会い、一目惚れします。文化的で洗練された若い女性は、マーティンの愛情の対象になるだけでなく、彼が達成しようとしている社会的地位の象徴にもなります。多大な努力と彼の謙虚な起源によって表される障害を克服することを犠牲にして、マーティンは作家になるという夢を追求します。高齢の知識人ラス・ブリッセンデンの影響下で、彼はイタリア社会主義界に巻き込まれ、エレナと彼女のブルジョア世界と対立しました。
[2019年/イタリア=フランス=ドイツ/イタリア語・フランス語/カラー・モノクロ/ビスタ/129分]