
監督 ソン・シンイン
台北郊外に実在する「幸福路」を舞台に、祖母の死をきっかけに帰郷した女性が幼少時の思い出とともに自分を見つめ直す姿を、
台湾現代史を背景に描いたアニメーション映画。台湾の田舎町で必死に勉強し、渡米して成功を収めた女性チー。ある日、祖母の訃報を受け、故郷である幸福路へ久々に帰ってくる。子ども時代の懐かしい思い出を振り返りながら、自分自身の人生や家族の意味について思いをめぐらせるチーだったが……。「
台湾出身で、アメリカ人と結婚しニューヨークで暮らすチーは、祖母の訃報に触れ故郷に帰国する。自らが育ったころとは様変わりした街並みに、戒厳令下の子供時代と、その頃に親友になった台湾人とアメリカ人のハーフの少女、1981年8月31日に小学校に入学。中学までは劣等生だったが、高校は台北市立第一女子高級中学、大学は台湾大学というエリートコースに。高校時代に台湾民主化を迎え、両親の反対を押し切って文系に転向した。学生時代には政治運動に邁進するが、新聞社に入社後、逆に自分がデモの対象になる(陳水扁総統の二度目の当選の際921大地震など自らの半生に思いを巡らせる。その後渡米し、アメリカ人のアンソニーと結婚。
チーの小学校時代の親友。アメリカ空軍のパイロットである父と台湾人の母の間に生まれたハーフで、チーが好きな「キャンディ・キャンディ(日本語版では「アニメ」とぼやかされているが、台湾版では「小甜甜」というタイトルが登場)」のヒロインと同じ金髪碧眼の持ち主[3]。母が台中で働いているため、新莊市でビンロウ屋台を営んでいる親戚の元へ一人で預けられている。いつか母と一緒にアメリカへ行って父と暮らすのが夢。
チーの祖母 花蓮で暮らしているアミ族の老婆。アミ族は母系社会なので、チーの父は婿扱いとなる(ついでにチー自身もアミ族ということになる)。今は離れて暮らしているが、娘を手伝いに幸福路に来ることも。シャーマンでもあり、そのためかチーの夢の中にもよくあらわれる
蒋介石が没した日(チーの生まれた日!)以後の台湾の歩みが投影されていることだ。青い瞳の友人を持ち、自身にもアミ族の血が流れる。母は馬英九の当選を喜び、父はそれに不満たらたら。もともと違って当たり前だから、自ずと多様性(多元性)が志向される。台湾の現代史と民主化と文化の懐かしく描かれてる。