
新国立劇場で、安部公房の『友達』を観てきました。
ずいぶんサッパリした感じの舞台でしたね。
ひとり暮らしの若者の部屋に、9人の家族が押し掛けてくる序盤のゾワゾワする感じが、2カ月後にはすんなり従順へと変わってしまう辺りが、何だかな~
有村架純ちゃんとか、井原六花ちゃん、林遣都くんが、いきなり訪ねてきて、家族になろうって言われたら、「はいっ!喜んで!」と答えちゃいそうだからかな~
私が青春真っ盛りの頃に観た『友達』は、ギラギラ狂気にあふれ、終盤までツンツンと緊迫してましたね。
連帯を望みつつ、疑っていた当時の空気が、何か懐かしい…。
自宅療養で孤独死したり、顔の見えない世間にバッシングされたり、不条理がお芝居の中だけの話じゃなくなってるもんね。
現実が安部公房化してる…。