「賃金の上昇」「ブランドの欠如」「人民元高」
により、競争力を失い、空洞化が進む中国
Record Chinaの記事 「メイド・イン・チャイナが勢いを無くした根本的な理由とは―中国」によると、
中国の製造業は今、「投資経営環境の悪化」と「極度の生産過剰」という二重苦にある。
製造業バブルはあまりにも早いスピードで膨らんだため、中国経済の泣き所になっている。
中国の「輸出主導型経済」と「外資導入戦略」は長期にわたって密接な関係にあり、中国の安価な生産力を利用した外資によってグローバル化した中国は「世界の工場」となった。
しかし、金融危機が発生して数年経ち、中国の製造業は優位な立場を失ってしまった。
中国が米国を抜き世界最大の製造業者となってわずか2年で、今度は「脱工業化」が今後の課題になっているが、中国は今の状況を変えることができない。
1つは中国の生産コスト高にある。
現在、中国の紡織工場従業員の平均月給は188ユーロ(約2万1000円)から300ユーロ(約3万3000円)で、バングラデシュの80ユーロ(約8800円)、ベトナムの120ユーロ(約1万3000円)の2倍から3倍以上の高さだ。
2つ目には、全世界に通用するブランドがないことだ。
3つ目は人民元の上昇だ。
中国の製造業は競争力を失い、空洞化する一方だ。
一部の企業は労働コストの安い東南アジアで商品の加工を行い、現地市場や欧米などに輸出するだけでなく、中国本土へ輸出を始めている。
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