ダンマパダの第２０章にも説かれている仏教の基本教理、「諸行無常」「一切皆苦」「諸法無我」の三法印について先日書いた時に、プッタタート比丘の「仏教人生読本」（三橋ヴィプラティッサ比丘・日本語訳）２１頁に見える「仏法のすべてを集約すれば「無常・皆苦・無我を洞察する」に尽きる。」という言葉を引用させて頂いた。

ところで、同書の２２頁には上の言葉に続いて、「要約すれば、無常、皆苦、無我を洞察するということは、得る、為る、に値するものは一切ない、を悟ることなのだ。仏教にはこれを完全に表現する言葉が一つある。「空しい」、あるいは、「空」、「我の空」である。」という記述がある。

「空」とは即ち「三法印」のことなのだと理解すれば、例えば般若心経の漢文も、またそのサンスクリット原典の内容も改めて新鮮に思えて来るし、「諸法皆是因縁生　因縁生故無自性　無自性故無去来　無去来故畢竟空　畢竟空故無所得　無所得故是名般若波羅密多」という大般若転読の偈文も、以前より一層、心に沁みるような気がして来る。

　　　　　　　　　　　　　　おしまい。

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アジアの「空」