ミステリ流し読み | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

よく読ませて頂いているミステリ・ブログの方がチェスタトンの「ブラウン神父の醜聞」のことを書いておられたのだが、日の当たることの少ないブラウン神父シリーズの最終作である「醜聞」を取り上げて下さったことが、とても嬉しい。私は「醜聞」に収録された「とけない問題」という短編が大好きだ。

 

ところでその方のブログには、ミステリ・ファンの皆さんが本当にコリンズの「月長石」や小栗虫太郎の「黒館殺人事件」を飛ばし読みせず、一字一句疎かにせずに読み終えているのだろうか? ということも書かれていて、内心どきりとした。

 

探偵小説というのは細部まで練りに練られた巧緻な作品が多いにも関わらず、反対にトリックや犯人を含めて筋だけを追おうと思えば追いやすい、流し読みにも適した独特な文学であると思う。

 

私はチェスタトンのブラウン神父シリーズやクリスティーの「火曜クラブ」や「エクソシスト」の作者ブラッティの「ディミター」などは、一字一句を味わいながら何度も読み返しているが、子供の頃から現在に至るまで、流し読みで済ませて来たミステリの、何と多いことかと反省する。

 

最近で言えば、SFに分類されているのでミステリではないのだが、あることをテーマにしていると知って、今回初めて読んでみた「アルジャーノンに花束を」が、申し訳ないことに途中から流し読み。自分にとってはそれ以上の作品ではなかったからなのだけれど、「飛ばし読み」について書かれたミステリ・ブログの方の記事をその直後に読んで、ちょっとどきりとした次第。

 

 

               おしまい。

 

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