お寺のトラブルやお坊さんの不祥事にまつわる新聞記事を切り抜いては保管しているのだが、その大半は寺院経営にまつわる悪事であり、その他には女性に対してのあるまじき行為や交通違反、僧侶同士の脅迫・暴行などの記事が多い。
最近は余り新聞記事によるお坊さん事件を見つけられていないのだが、テレビニュースではそうしたニュースをよく見るなあと思ったので、インターネットで検索したところ、自分の知っているものもいないものも含めて、驚くほどたくさんの記事が出て来たので驚いた。
とりあえず比較的最近の記事を列挙させて頂くことにする。
2019年10月 大阪市阿倍野区にある「天下茶屋の聖天さん」こと正圓寺の住職一家が行方不明。寺が競売にかけられた。
2021年4月 茨城県の住職。交通トラブルの相手をボンネットに乗せたまま車で逃走。ちなみにその報道内でテレビのコメンテーターなどに「この事件の要点は、お坊さんたるものがこんな事件を起こすなんて言語道断であるという点に尽きる」などとしたり顔で言われていたのを覚えている。
2023年6月 鳥取県内の僧侶が母親に暴力。
2023年7月 東京都のとある住職が他人の妻に横恋慕し、別れさせ屋を使って良からぬことを画策。
2023年8月 栃木の禅宗寺院住職が、坐禅に誘った女性の身体を警策(坐禅指導のための禅杖)で触ったという事件。
日本以外では、中国・少林寺の僧侶が妻帯し、高級車を乗り回してビジネスのように手広くお寺の事業を進めているという2015年のニュースや、韓国のN番というインターネットサイトを使って僧侶が女性に悪事を働いたという2021年のニュースもあった。
タイのお坊さんに関する不祥事のニュースも時々日本の新聞に載っているが、タイの場合、お坊さんの戒律の厳しいことが一般社会の人にも周知されているからこそ、時折りの戒律違反事件が特別に浮き上がって来るのであって、日本などとはちょっと事情が違うように思う。このようなタイの僧侶の不祥事は、テーラワーダ仏教の戒律では僧籍剥奪・強制還俗に至る場合もあるような重大案件だ。
さて、何度も言うが「お坊さんも人間だから」という言葉は一般人がお坊さんに対して言う言葉であって、お坊さんがそれを自分の言い訳にしてはいけないし、たとえ人がその言葉で慰めてくれたとしても、いやいや、お坊さんは人である前にお坊さんであるべきなのだからと自らを省みるのが、お坊さんというもののお仕事なのではないのかな?
おしまい。
※ 「ホームページ アジアのお坊さん 本編」も是非ご覧ください。