先日も引用させて頂いた伊藤允一氏の「タイ佛教修学記」というブログをずっと読ませて頂いているのだが、これが本当に面白い。
その中に2018年に起こったタイの洞窟における少年たちの遭難事故について、彼らが一緒に閉じ込められた若い副コーチの指導の下、瞑想を修することによって、その精神の正気を保ったという報道に対し、それがタイ仏教におけるどのような瞑想であったかを考察する、という記事があった。
そこで私も、この実話を基にしたタイ映画「THE CAVE」を見てみることにした。私は2019年にタイでこの映画が公開されているのを目にはしたが、視聴するのは今回が初めてだ。
「THE CAVE」はタイ人の母とアイルランド人の父を持つバンコク生まれのトム・ウォラーが監督だ。ちなみに、この人の作品には2011年の「Mindfulness and Murder (タイ語タイトル ソップ・マイ・ギアップ ศพไม่เงียบ) 」という、タイのお坊さん映画の中でも異色のミステリ作品がある。この映画はタイの僧院内での殺人事件がテーマで、探偵も被害者も全員お坊さんという、ウンベルト・エーコの「薔薇の名前」さながらの不思議な映画だ。
「THE CAVE」にも物語の本筋と大きく関わらない箇所で、何度もタイのお坊さんが出て来るのが興味深かったけれど、少年たちの洞窟内の瞑想に関しては、彼らが坐禅しているような様子が、ほんの少しさり気なく描かれている程度だった。
やはりこの部分に関しては、伊藤允一氏の「タイ佛教修学記 少年たちが実践していた瞑想法は何か?」がとても興味深いので、是非ご参照頂ければと思います。
※画像はタイ・ピサヌロークの映画館の前で撮影したものです。
おしまい。
※「ホームページ アジアのお坊さん本編 お坊さん映画」もご覧ください。