坊主標本 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

 

前回、高山宏氏のことを私の変人標本帳に採集する、ということを述べたのは、氏がシャーロック・ホームズ論の中で「標本としての世界」について説いておられることに因んでいる。

 

一方で「坊主標本」に関しては、お坊さんが好きでお坊さんになった私が、いろんなお坊さんを見たり、お坊さんについて聞いたりするのが好きで、その観察を「坊主コレクション」と称していた時期があるのだが…

 

                  

 

全く同じ名称でお寺活性化イベント的な活動をされている方たちが出て来たので、そうした真逆の思想と一線を画する意味で、「坊主標本」と言い替えることにしたものだ。

 

さて、ご縁のあるお寺さんに、ある宗派のお坊さんが売り込みを掛けて来られたとのことだったので、参考までにその宗派に近い私の知り合い、K山のご住職に僧籍取得システムなどについてお尋ねしてみた(この時にK山ご住職から聞かれたタイのお坊さんについて調べた件も含めて、いずれご住職に連絡せねばならないのだがそれはさて置き)。

 

 

 

 

で、そうして予備知識を得た上で当日となり、くだんの他宗派の若手僧侶とお会いしたら、幸いにもきちんとした僧籍を取得された方だったのだが、私と同じく在家出身ということで、年齢やキャリア的なことも含めて多少の気負いは見られたものの、自ら発心して1ヶ月ほどインドの仏跡巡拝もしたとかで、私もブッダガヤ日本寺駐在の話などをさせて頂いて、意気投合したりもした。

 

 

 

 

自宗派の人たちにはなかなか言えないことを吐露できましたと仰って下さり、お坊さんになろうとした理由を私が最初に聞いたためか、最後に私にも、同じくお坊さんになった訳をお聞きになられた。

 

失礼ながら、聞かれるだろうと予測していたので答は用意してあって、昔話の旅のお坊さんに憧れたからだと申し上げたら、わあ、それいいな、やられたな、わかるな、ぼくもそれ使おうかなと、大変喜んで下さった。

 

 

            

 

 

わずか2、3時間、ご一緒にご法務に当たらせて頂いただけだったけれど、色々お話が出来て良かったです、私の坊主標本に加えさせてもらいますと私が言うと、なぜだかまた有難うございますと大変に感激して下さった。

 

こんな風にその方のことをここに書いても良いのかと、心配して下さる向きがあるかも知れないけれど大丈夫、なぜなら私はその方に、このブログのことなど一言もお伝えしていませんので。

 

 

                                  おしまい。

 

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