再び四摂法の話 | アジアのお坊さん 番外編

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旅とアジアと仏教の三題噺

以前にも書いた四摂法(ししょうぼう)のことが、また気になっている。

簡潔な上に、テーラワーダ仏教と大乗仏教の両方に共通して重視される四摂法(四摂事とも言う)という4つの徳目は、法華経の提婆達多品にも出て来るし、道元禅師も四摂法を説いておられるから曹洞宗でも重視される。

ちなみに、天台宗でも数年前から進めている「こども発心会」の中で、四摂法を唱えることになっているのだが、その勤行式による四摂法の意訳は以下の通り

布施 欲張らず相手に与えます
愛語 優しい言葉で話しかけます
利行 相手のために行動します
同事 思いやりの心で一緒に行います

テーラワーダ仏教ではどう解説しているかと言うと、「ポー・オー・パユットー仏教辞典(仏法篇)」(発行・サンガ)には以下のように書いてある。

布施(dāna) 分かち合うこと。
愛語(piya-vācā) 優しい言葉、気に入る言葉、心に訴える言葉。
利行(attha-cariyā) 相手を利益する、為になる行為。
同事(samānattatā) 平等に接すること。

ちなみに、wikipedia の「四摂法」の項を見てみたら、参考文献として「ポー・オー・パユットー仏教辞典」が、そのまま挙げられていた。

「同事」は「思いやりの心で一緒に行います」では少しわかり難いが、要はこの「平等に接すること」であり、そして、それはとても難しいことだと近頃思い、けれどそう行動しなければと、改めて気を付けている。

そんな訳で、この機会に天台宗務庁の一隅を照らす総本部に電話して、以前にあった四摂法のポスターを貼りたいから、改めてお寺宛てに送ってくれないかとお尋ねしてみたら、わざわざ倉庫から見つけて来て下さったそうだ。

この場を借りてお礼申し上げると共に、そのポスターが届いたら、この場で画像を紹介させて頂きます。

                           合掌

※2018年4月16日追記
「こども発心会」のポスターを再送して下さいました。
以下の画像です。
イメージ 1

一隅本部のご担当者様、有難うございました。
                             合掌