光永圓道大阿闍梨 明王堂輪番ご成満 | アジアのお坊さん 番外編

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旅とアジアと仏教の三題噺

比叡山の千日回峰行者・光永圓道大阿闍梨は本日を以って無動寺明王堂輪番を退かれ、明日からは今年の9月に満行された釜堀浩元大阿闍梨が明王堂の毎日の護摩も修されるとのこと、光永師におかれましては、長の年月に渡るお役目、誠にお疲れ様でございました。

昨日、濃霧に煙る比叡山を参拝し、ご縁あって光永阿闍梨にお目通りが叶い、直々にご挨拶できたことは何よりの光栄でした。

ご多忙中にも関らず、今後はまた今までと違った形で大行満としてのお務めを果たして行かねばなりませんのでと仰いながら、親切にお接待して下さいました。

阿闍梨さんの御座所の障子の入り口が分からず、三回くらい、違います、そこではありませんと阿闍梨さんに笑って教えて頂いた時に、小僧修行のお寺で障子の開け方や老僧の御座所へ伺う時の作法から教えてもらったことなどを、思い出したものです。

さて、その後は、そんなことを色々と頭の中で反芻しながら、現在、ご開帳中である、西塔釈迦堂に向かい、内陣のご本尊を拝ませて頂いたところ、偶然にも小僧修行時代の兄弟子、と言っても年は私より遥かに若く、今は比叡山一山のご住職となっておられるお坊さんに、何十年かぶりで再会を致しました。

あちらはお山の一員として、ご開帳の案内にお忙しい中、当時はまだ学院生であったお若さでありながら、在家出身で右も左も分からなかった私に、いろんなことを教えて下さったそのお坊さんに、拝観者で溢れるこの状況で咄嗟に短く自分の思いを伝えるべく、「お陰さまで、今(の私)があります」と、お礼を申し上げました。

東塔無動寺、西塔釈迦堂、そして横川の元三大師御廟と駆け足での三塔巡拝、本当に宗祖伝教大師の御歌ではありませんが、阿耨多羅三藐三菩提の仏たちを始め、諸師ご先達の皆さまのお陰で、僧侶としての今の自分がある有難さを噛み締めつつ、山を降りる頃には霧も晴れかけたことでありました。

光永圓道大阿闍梨は、私がこのブログを投稿させて頂いたこの時間に、輪番さんとしての最後の護摩を修しておられたことかと存じます。どうか今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を願うと共に、仏法興隆のためのさらなるご活躍を、僭越ながらお祈り申し上げる次第です。


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                        合掌

※画像は霧に霞む昨日の横川中堂です。

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