宿坊、僧坊、庵、巡礼宿、遍路宿についてや、或いは一般の旅行者のための宿、旅館などについて、あれこれ考えるのが好きだ。それらを英語で何と言うのだろうかと、色々と辞書をめくったりするだけでも、とても楽しい。
私が十代の時に使っていた古い英和辞典の訳が面白いのだが、例えば、
「inn」は「宿屋、旅籠、居酒屋」
「hospice」は「旅人宿、収容所」
「hotel」は「旅館」
「hostel」は「旅館、宿泊所、ユースホステル」
と説明があって、ちなみに病院の「hospital」と、宿を表す「hospice」、「hotel」、「hostel」などは皆、「もてなす所」という同じ語源に基づくということも、その辞書には書いてある。
ところで、「泊まること」を表す英語には「lodge」という言葉もあるが、そう言えば南インドでは宿屋が「Lodge」で食堂が「Hotel」だということが、「地球の歩き方 インド」に書いてある。
にも関わらず、私も南インド巡礼中に、ついそれを忘れて宿屋や食堂でちぐはぐな会話をしてしまったことがあるのだが、さて、「lodge」と言えば日本では「山小屋」という意味の方が、よく知られている。
先程の古い英和辞典にも「小屋」を表す英語の違いが説明してあって、「lodge」が割りと立派な小屋、「cabin」がちょっとした小屋、「hut」は「あばら屋」とある。
ならば「庵」は「hut」であるべきだが、「庵」には、「hermit=隠者の棲家」という意味の「hermitage」という、ぴったりの英語がある、ということについてや、世界の宿坊、僧坊、巡礼宿、遍路宿などについては、どうぞ是非、以下の各記事をご覧下さいますように。
おしまい。