仙崖和尚の禅画…出光コレクションのカレンダーについて、ちょっと一言 | アジアのお坊さん 番外編

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出光コレクションの中の仙崖和尚の禅画を使用した「出光美術館 仙崖カレンダー」を、毎年、人から頂きます。

そこに付された短い解説について、ちょっと思うところがあります。

まずはこの禅画。
春彼岸にちなんだ、今年の3月の絵です。

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「はら張りたや 吽と福れた 彼岸福」という讃に関して、「福の神である大黒さんが腹を精一杯張って福が満杯の様子。ありがたいことこの上なし」などと書いてあるのですが、この上の句の「腹張りたや 吽と…」は光明真言の「…ジンバラハラバリタヤウン」という文句と掛けてあるのに、そのことについて一切説明がないのは何故でしょう?

そう言えば、去年のカレンダーには「指月布袋画賛」という絵があったのですが…


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この絵の讃の「あの月が ほしくば取て 弥勒仏」という句に関しても、「ところで、この無邪気な問いかけの主は誰なのでしょうか?」などと書いてあるのに、「取ってみろ」と「みろく仏」が掛かっていることについての説明はありません。

まさかこんな簡単な掛け言葉に、解説者の方が気づいておられないとは思いたくないですが、「ありがたいことこの上なし」「無邪気な問いかけの主は誰なのでしょうか?」などと、洒脱な感じで解説するならば、ついでに掛け言葉のことにも触れてほしかったなあと思います。

カレンダーを頂いておきながら、苦言を呈して申し訳ございませんが、そんなこんなで私も布袋さんのご本地弥勒仏のご真言「オンマイタレヤソワカ」にちなんだ拙い川柳一句、

    春彼岸 福撒いたれや 弥勒仏

                          おしまい。



是非ご覧ください!!