今昔物語の毒キノコ | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

角川文庫の古典のシリーズは偉いと思う。「今昔物語集」や「平家物語」などの原文が、手軽な文庫でそのまま読める。ただ、分量の関係もあるのだろうけれど、現代語訳は付いていないので、一体どういう読者層が、これらの本を購読しているのだろうかと、余計な心配をしたくなる。

私は子供の時から昔話や伝説が好きで、昔話のような世界に生きたいと思ってお坊さんになったくらいだから、そういう伝説などの原典としてよく本に出て来た「今昔物語集」や「平家物語」を、お坊さんになる前に角川文庫でよく読んだものだ。

その頃に持っていたそれらの本は、修行のために各地を転々とする中で手放したが、「今昔」の「本朝仏法部」上下巻だけは、最近に買い直して手元に置いている。

ところがひと月ほど前に、とある古本屋さんの前を通ったら、店頭のワゴンセールの棚に、私が今は持っていない、角川の「今昔物語集 本朝世俗部」の下巻だけが、100円で売られていた。物を増やしたくはないけれどと、ちょっと悩んだのだが、このままだと、ずっと誰にも買われなさそうなこの本を、買うべきだとようやく決断した。

そうしたら面白い、面白い。今はもう仏法部だけ持っていれば十分だと思っていたけれど、世俗部にも仏教関係やお寺、お坊さん関係の話がたっぷり載っていることに、改めて気が付いた。もちろん仏教関係以外の、エキセントリックな話も満載だ。

で、その中に、キノコに関する話がたくさんある。山で笑い茸を食べた尼さんたちの話や毒キノコの話などなど、面白いので、このことについて書いておられる方が他にいなければと思ったのだが、千葉県立中央博物館という所のサイトに、キノコの生物学的な知識まで含めて詳しく載っており、これは到底、敵わないから、素直にリンクを貼らせて頂くことにした。

それはそれとして、とりあえず、今の私がなすべきことは、どこかの古本屋さんで、「今昔物語集 本朝世俗部」の上巻を探すことだ。他の話も読みたい。

                         おしまい。

 
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