関善光寺の仏像の印相の名前の話 | アジアのお坊さん 番外編

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先日、とあるラグビー選手の指の組み方に似た印を結んだ仏像が、関善光寺というお寺にあるという話を、小ネタの一つとして簡単に紹介した。その時は、テレビのニュース映像でちらっと見ただけだったので、不動索印か弥陀索印かな?などと書いたのだが、その後、画像を見せて頂いたら、指の組み方が違うことに気づいた。

インターネットなどでは、まことしやかに普賢の印だとかその他の印に似ているなどと書いておられる方もいるが、悪いけれどそれらは全く違う。

そうしたら先日、「天台ジャーナル」の最新号(通産153号)に、関善光寺というのは通称で、このお寺は宗休寺という安楽律法流という天台宗系の宗派に属するお寺だということが書いてあった。寡聞にして知らず、慌てて天台宗の寺籍簿を見てみたら、確かに安楽律法流のページに、宗休寺の名前が載っている。

そしてその「天台ジャーナル」の記事の中に、この仏像は中国から渡ってきた物で、その印相は極めて異例、日本では他に例がないと書いてある。宗派の広報誌に、この印の名前が不明だということが、はっきり書いてあるのだから、この際、当て推量を書かせて頂いても大丈夫だろう。

私が台湾の仏教関係者の方から頂いた、「佛教手印図説」というタイトル本に、この仏像の印相によく似た印が載っている。50頁の「寶菩薩印」と77頁の「理趣経五段 虚空蔵菩薩」という印で、どちらも同じ形の印だそうだ。日本にない印相ならば、もしかしてこれなのでは?

                         おしまい。

⇒2017年3月8日追記
「関善光寺…卍戒壇廻り」という記事を投稿しました。
イメージ 1
イメージ 2
写真も公開しましたので、上記の記事をご参照ください。

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