
上の画像は、台湾の佛光山が出している、ブッディスト・アート・ブックレット・シリーズ(これは英語版タイトルで、中国語版もあります)の第1巻に載っていた迷路の絵。4人の友達の内、中央のブッダの所に辿り着けるのは誰でしょう? と書いてある。
昭和4年発行の江戸川乱歩の最初の随筆集「悪人志願」の中に、「迷路の魅力」という1篇があり、子どもの頃に子ども雑誌などの迷路図に心を踊らせた人も多いだろうと乱歩が書いているから、日本でも明治以後、だいぶ早くから、パズルとしての迷路が紹介されていたことが分かる。
この随筆の中に出て来るのは、日本の見世物小屋の八幡の藪知らず、当時の遊園地にあった立体迷路や、エジプトやギリシャの迷路の例、イギリスのウイリアム三世のハンプトン宮殿、アンデルセン「即興詩人」に出て来るカタコンベなどなどで、さらに乱歩が当時、執筆中だった「孤島の鬼」に迷路の趣向を取り入れて、鍾乳洞を登場させる予定だということについても触れている。
ちなみに私の手元に「パズル・クイズル」(小城栄著・カッパブックス)という、昭和34年発行の古い本があり、既に私の子ども時分に古本だったものなのだが、そこに迷路についての記述がある。
乱歩と同じく、ハンプトン宮殿やクレタ島のクノッソス宮殿の迷路の図を載せてあって、また、当時のあちこちの遊園地に立体迷路があるということや、紙上の迷路図の解き方と共に、「ロザムンドの四阿(あずまや)」という迷路図が載っており、また、成島柳北が関西でたくさんの立体迷路を見たことを記した明治10年の随筆「客中漫録」の文章が引用されている。
また、西洋中世の修道院には修道僧の瞑想用の立体迷路があったことも紹介されているのだが、心の中の神や仏性に出会うことの隠喩として迷路を考えるというテーマは、大変に興味深い。
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