1990年代の半ばくらいから2000年代にかけて、インドの地名がイギリス統治時代の呼び方から、それ以前の呼び方に戻され、ボンベイがムンバイに、カルカッタがコルカタに変わった。
ムンバイやコルカタが西洋人に発音のしやすいボンベイやカルカッタとなり、それが最近に元に戻ったというのはよく分かるのだが、90年代にチェンナイに変わったマドラスについては、マドラスとチェンナイという言葉、全然似ていないけれど、何故なのだろう?
日本語のインターネットで調べても出て来ないので(英語で検索してみたら、いくらか説明してくれているサイトがあったけれど)、「南アジアを知る事典」(平凡社)を見てみたら、西洋人がやって来た時代に、マドラサパトナムという地名からマドラスという英語が出来たこと、チェンナイという言葉は、チェンナパトナムという別の名称に由来することが分かった。なるほど。
ちなみにヴァラナシとバナーラスについては、もう少し複雑で、ヴァラナシのことを現地の人はバナーラスと呼んでいるとか、日本語読みの「ベナレス」は間違いであるとか、いろいろ豆知識がガイドブックに書いてあり、日本語では、「ワラナシ」「ヴァラナシ」「バラナシ」「バナーラス」「バナラス」「ベナレス」などとたくさんの表記があるのは何故かと言うと…。
もともとヴァラナシもしくはワーラーナシーと呼ばれていたこの町は、11世紀のイスラム王朝期以降にウルドゥー語訛りのバナーラスと呼ばれるようになり、その後イギリス統治時代に英語訛りのベナリースとなった。ベナリースの日本語訛りがベナレスだ。だからヴァラナシもバナーラスも、間違いではないのだ。
もともとヴァラナシもしくはワーラーナシーと呼ばれていたこの町は、11世紀のイスラム王朝期以降にウルドゥー語訛りのバナーラスと呼ばれるようになり、その後イギリス統治時代に英語訛りのベナリースとなった。ベナリースの日本語訛りがベナレスだ。だからヴァラナシもバナーラスも、間違いではないのだ。
別に私が偉い訳でも物知りな訳でもなくて、これも「南アジアを知る事典」の「ワーラーナシー」の項に書いてあったことだ。この事典が、本当に偉い。
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