放浪の俳人・井上井月(いのうえせいげつ)に憧れる人は多いが、同じく放浪で知られる種田山頭火もまた、井月に憧れた一人だ。そして、それこそ井月以上に現代人たちの憧れの的である山頭火なので、大きな声では言えないが、所詮は憧れての放浪と俳句だなと思う。
近頃流行りのノマド・ワーカーとやらも、スキルや自身の知名度なしに始めても仕事にならないなどと言われるが、要はこうした自由な働き方に、みんなが憧れて、「ノマド」という用語だけが優先している感じがする。ちょうど堅気の勤め人の方ほど、寅さんの映画に憧れるように。
バックパッカーというのも、ある意味、擬似放浪体験であって、何ヶ月、何年、旅をしていたとしても、あくまでいつかは終わる、ひと時の自由に過ぎない。
かく言う私もお坊さんになる前は、諸国行脚の托鉢僧に憧れて、お坊さんになる方法と共に、鴨長明や吉田兼好や芭蕉が、どうやって食べて行けたのかを調べようとしたものだ。
お坊さんになって、実際に行脚もし、寝袋を担いで歩いたものだが、一生そうやっては暮らせないから、やっぱりこれも真似事だ。
けれど、一所不住という理論武装を楯に、旅に出ることも可能であるお坊さんというものに成れたことは有難いと思う、などと書いている内に、そろそろ旅のそぞろ神が…。
おしまい。
※旅とアジアとお坊さんがテーマのホームページ「アジアのお坊さん」本編も是非ご覧ください!!
※お知らせ※
タイの高僧プッタタート比丘の著作の
三橋ヴィプラティッサ比丘による日本語訳CD、
アーナパーナサティ瞑想の解説書「観息正念」、
アーナパーナサティ瞑想の解説書「観息正念」、
並びに仏教の要諦の解説書「仏教人生読本」を入手ご希望の方は
タイ プッタタート比丘 「仏教人生読本」「観息正念」改訂CDーR版 頒布のお知らせをご参照下さい。
タイ プッタタート比丘 「仏教人生読本」「観息正念」改訂CDーR版 頒布のお知らせをご参照下さい。