これはとんでもない本だ、というのは僭越ながら、最大級の賛辞のつもりなのだが、本当に、こんな話、お書きになっても大丈夫なのだろうかと、余計な心配をしたくなるエピソードばかりを綴った本だ。
「老僧が語る京の仏教うらおもて」という優しげなタイトルに、そして京都の古地図をあしらったかわいらしい装丁に、読者よ、ゆめゆめ欺かるるなかれ。
これは単なる京都本や、巷に溢れる口当たりのいい仏教読物では決してない。「うらおもて」どころか、本当に貴重な裏話ばかりの連続で、私のような、末端に位置するスタスタ坊主にとっては、どんな話が載っているのか、その概要を書くことすら憚られるほどだ。そこで、その中からアジア仏教に関連する話だけを取り上げさせて頂くことにする。
まずは名古屋の日泰寺の話。タイ王国から贈られた真正の仏舎利を祀ったこの寺が、日本仏教各宗派の輪番で管理されていることは有名だし、タイと日本の関係を説いた本にもよく出て来るから、タイにゆかりのある方たちにも、このお寺のことはよく知られている。
しかし、なぜこのお寺が有る場所が、名古屋なのか? ずっと疑問だったその理由や経緯が、この本にすべて書いてあった。
また、日本釈尊正法会という会を通して、戦後すぐにミャンマー(当時はビルマ)で、日本のお坊さんが何人も留学僧として上座部比丘修行をなさっている。
そのお顔ぶれは、それを基に研究書を出したり、紀行文を書いたり、或いは一宗派の管長を務められたり、はたまた自坊にビルマ仏を請来したりと、比較的、有名なご活躍をされた方ばかりなのだが、しかし、一体この会はどういう会なのか? インターネットで検索すると、ある京都の地名が出て来るが、それはなぜなのだろう?
一方で、門司には世界平和パゴダという、ミャンマー僧の常駐するお寺があるが、それはなぜなのか? などといったことが、すべて繫がっているのだということが、この本を読んでよく分かった。
さあさあ、皆さん、興味を持たれた方は、どうぞ実際にこの本を手に取って見て下さい。私と同じく、こんなことまで書いていいの? これはまた、とんでもなくすごい本だなあと、きっと思って頂けるはずだから。
※ホームページ「アジアのお坊さん」本編も是非ご覧ください!!
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