新聞に「新潮文庫の100冊」の広告が載ると、読んだことのある本、これから読みたい本に印を付けて楽しんだものだ。近頃の「新潮文庫の100冊」は、名作文学ばかりではなく、流行に迎合したセレクトも多くて残念ながら、それでも夏のこの広告を見ると、今も少しばかりは胸が躍る。
さて、どこの文庫が一番好きかという話題は、本好きの人間同士の間で時々交わされているのではないかと思うのだけれど、近代以降の名作文学を読むのなら、新潮文庫が読みやすいと思う。
芥川龍之介や太宰治、三島由紀夫や松本清張などのように、主要作品が全集並みに読める作家もいれば、反対に泉鏡花、稲垣足穂、小川未明、織田作之助、梶井基次郎のように、1冊で選集的に読める作家もあるが、どれも作品の選択が大変すばらしいと思う。例えば「小川未明童話集」に「二度と通らない旅人」が入っているのも嬉しい。
というわけで、江戸川乱歩に関しても、新潮文庫の「江戸川乱歩傑作選」はすばらしい。つい最近に岩波文庫が初めて乱歩の傑作集を出したが、なぜか新潮と余り変わらぬ内容という芸の無さの上に、よく似た内容ではあるものの、やっぱり新潮文庫の方が良いセレクトだ。
この「江戸川乱歩傑作選」は、乱歩の生前の昭和35年に発行されていて、乱歩の長大な自叙伝である「探偵小説四十年」の最後の最後の著書目録にも記載されているほど古いのに、今も乱歩の短編傑作集の中では群を抜いてすばらしいし、松本清張以前のミステリ作家の作品が、新潮文庫では乱歩のこの1冊だけというのも、私には嬉しい。
私にとっての新潮文庫の1冊は、文句なしにこの、「江戸川乱歩傑作選」。
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