昔読んだ安野光雅氏の「算私語録」(ちくま書房)の中で、「たぬきのイソップ」(小沢正著・ポプラ社)という子どもの読み物のことを知りました。
こぶたとウサギが山で道に迷います。地図を見て現在地を確かめたこぶたが言いました。「この地図によれば、ぼくたちが今いる所は、あの山のてっぺんだ!」。
安野氏は地図や距離や位置に関する一連のエピソードの中で、この話を紹介しておられます。
原文に当たってみると、お話の語り手であるたぬきが、便利な道具でも使い方を間違えると、結果が正しくなくなるという解説をしています。
わざわざ回りくどい過程を踏んだり、難しい理屈をこねたり、大層な道具を使いながら、結局、間違っていたり、遠回りした割りに結果が同じだったり、普通に物事を行うよりも多くの無駄を出したりしている大人たちを見ていると、「この地図によれば、ぼくたちが今いる所は、あの山のてっぺんだ!」と叫んでいる、こぶたさんの姿が、いつも脳裏をよぎります。
おしまい。
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