アジアの餃子 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

 日本の餃子チェーンが本場の中華圏に出店したけれど、業績が思わしくないといったニュースを時折、耳にする。中華圏では水餃子・スープ餃子や蒸し餃子が一般的で、日本式の焼き餃子は特殊だから現地では好まれないというのも、よく聞く話だ。

 去年、台湾で彭雙松(ほうそうしょう)先生という知人の宿に泊めて頂いた時、ビュッフェスタイルの食事の主食が、野菜と餃子がたくさん入ったスープだった。

 アジア各国における餃子式の食べ物として、まずは韓国のマンドゥ、これはもちろん、饅頭の韓国語読みで、日本語ではマントゥと表記される場合もある。マンドゥは日本の餃子の味わいにとてもよく似ているから、日本人の口にも合いやすい。

 タイのキヨウ、日本語ではキヤウと表記されることもあり、日本人の感覚ではワンタンに近い。スープで食べたり、汁麺の具にしたりするのだが、町のクイティオ屋などで食べる手作りのキヨウは、とてもおいしい食べ物だ。

 チベット料理のモモは、ネパールでもおなじみの料理だが、インドでも中級以上のレストランなどでは、メニューに載っていることが多い。

 インドのコルカタに何軒かある老舗の中華料理屋さんは、サダル・ストリートにたむろする日本人バックパッカーたちにも有名だが、ここにはモモではない中華式の餃子があって、英語表記は dumpling となっている。インド料理に疲れた日本人旅行者には嬉しいメニューだが、同じコルカタでもチャイナタウンの屋台の味は、もっと本格的だ。

 日本式の焼き餃子も中華圏で日式餃子と呼ばれて、少しずつ広まりつつあるとのことだが、日本で食べる焼き餃子や海外の日式餃子も含めて、中国発祥の粉食がアジア各地でそれぞれに形を変えて定着しているのを見るのは、楽しい。

台湾の彭先生の宿については、
ホームページ「アジアのお坊さん」

「台湾苗栗県奇聞 2」
もご覧ください!!