小乗仏教嫌いの「ひらがなさん」 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

 初期仏教や南方上座部仏教のことを、敢えて「小乗仏教」と呼んで毛嫌いしている「ひらがなさん」は、ペンネームがすべてひらがなの仏教ライターです。

 外国人のお坊さんなので、お名前がカタカナで表記される「カタカナさん」が大乗仏教嫌いなのと好対照ですが、「ひらがなさん」も「カタカナさん」も、あんまり我を張りすぎて「かたくなさん」になってしまわなければいいのにな、というお話は前に書きました。

 けれど「ひらがなさん」の「小乗」嫌いは留まることを知らないようです。最近、ある宗派の広報紙に、ブッダは自分が死んだら細かな戒律は廃止しなさいと言ったのに、それを守らず、瑣末な戒律にこだわり続けてるのが、「小乗仏教」即ち上座部仏教、テラワーダ仏教だと言うのです。

 仏教者たる自覚があれば、戒も律も不要だ、仏教者たるもの、もっと大事なことがある! といった論調なのですが、とりあえず、ブッダは細かな規則を廃しても良いとは言いましたが、すべての戒律を必ず廃止しなさいとは言っていないはずです。小さな違いのように見えますが、意図的に間違えてるのなら、仏教者としては重大な反則です。

 ほら、不妄語戒と言って、嘘をついてはいけないという戒律は、戒律の中でも基本中の基本で…あ、「ひらがなさん」は戒律を重視してないから、別にいいのかな?

                              おしまい。